読む映画リバイバル『肉の標的 奪う』

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人生とはすなわちハエハエカカカザッパッパ

(1999年1月号より)

 こないだ古本屋でこんなのを見つけた。「ロック・スターの女たち」(音楽之友社)。タイトルのごとく、ストーンズのブライアン・ジョーンズに始まり、ジミ・ヘンドリックス、スモーキー・ロビンソン、フランク・ザッパ、ジム・モリソン、ブライアン・ウィルソンなどなど、錚々たるミュージシャンの妻&ガールフレンドにインタビューを試み、その人生をあぶりだした、なかなか興味深い1冊だ。 “読む映画リバイバル『肉の標的 奪う』” の続きを読む

読む映画リバイバル『白薔薇学園 そして全員犯された』

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忘れられなくしてやるぜっ(by港雄一)

(1999年3月号より)

 「だまされごっこ」という歴史的名曲をご存知だろうか(『幻の名盤解放歌集・BMGビクター編 資本論のブルース』に収録)。唄っているのは港雄一と浦野あすか。港雄一は知る人ぞ知る“犯し屋”の異名をとり、 “読む映画リバイバル『白薔薇学園 そして全員犯された』” の続きを読む

読む映画リバイバル『刺青』

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誰のために咲いたの〜それはあなたのためよ♪

(2001年10月号より)

 前々から買おうと思っていて、まだ手に入れていないCDがある。
 伊藤咲子のベスト盤だ。 “読む映画リバイバル『刺青』” の続きを読む

読む映画リバイバル『(秘)女郎責め地獄』

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 爆弾になってしまえば人間も人形も同じなり

(2001年11月号より)

 人形とは、人間の似姿だ。

 黒衣(くろこ)の意のままに操られるのが人形のさだめだが、ときに人間もまた操り人形と同じ境遇になる。つまり自分の意志を持っているようでいて、実は背後でうごめく何者かに操られてしまう人間の哀しい運命。客観的に眺めてみればどっちもどっちだろう。 “読む映画リバイバル『(秘)女郎責め地獄』” の続きを読む

読む映画リバイバル『百恵の唇 愛獣』

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山口百恵は菩薩であると、平岡正明は言った

(2002年3月号より)

 山口百恵のことは始め、あまり好きではなかった。むしろ、嫌いなほうだった。
 ……などと、薮から棒に書き出しているのだが、これは俺のガキの頃の話だ。 “読む映画リバイバル『百恵の唇 愛獣』” の続きを読む

読む映画リバイバル『堕靡泥の星 美少女狩り』

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(2001年10月号より)

その昔、ダビデとヘドバてな歌手もいましたナ

 「70年代劇画の残虐非道の極致!」

 そんな派手派手しいコピーとともに復刻された鬼才・佐藤まさあきの『堕靡泥の星』(アスペクト刊)。事実、その惹句に偽りはない。ナチスが占領下、ユダヤ人に強制的に刻印した紋章〈ダビデの星〉。主人公は、アウシュヴィッツ捕虜収容所の惨劇を告発した『夜と霧』でオナニーしちまう恐るべき男、神納達也だ。人間本来の姿は悪にある――と女たちを地下室に監禁し、陵辱陵辱陵辱の嵐。酸鼻極まりない光景がとめどもなく目の前で繰り広げられる。 “読む映画リバイバル『堕靡泥の星 美少女狩り』” の続きを読む

読む映画リバイバル『タイムアバンチュール 絶頂5秒前』

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猫が出るんです。ちゃんと「夏への扉」と同じように

(2003年6月号より)

 ウォン・カーウァイ監督が『欲望の翼』(90)を引っ提げ初来日したとき、取材の席で彼は、意外な日本映画について語ってくれた。滝田洋二郎監督の『木村家の人々』(88)。それは、アジア圏でも大ヒットした作品だったのだ。 “読む映画リバイバル『タイムアバンチュール 絶頂5秒前』” の続きを読む

読む映画リバイバル『犯される』

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「あなた」の中には「あな」すなわち「穴」があるのだ

(2003年1月号より)

 映画のオープニングというのも色々あるが、これほど変わったものもまたとあるまい。なにしろ開幕早々日活マークの上にかぶさるのは、「あなたっ、あなたァ、ア・ナ・タ」と呼びかける、オンナの切ない声。 “読む映画リバイバル『犯される』” の続きを読む

読む映画リバイバル『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』

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セックスは祭りだあい 祭りはセックスだあい

(2001年5月号より)

 すでにご存知の方も多いかも知れないが、これは改めて喜びを記しておきたい。

 小沼勝監督がやった! 先頃、第51回ベルリン国際映画祭に『NAGISA-なぎさ-』を出品したところ、“キンダーフィルム”部門で見事グランプリを受賞。いやあ、これが喜ばずにいられようかってんだ! “読む映画リバイバル『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ラスト・キャバレー』

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2001年日活ロマンポルノの旅

(2001年2月号より)

 何かが終わってしまうこと。永遠に続くかと思われていた時間が、不意に中断され、結末へと辿りついてしまうこと。

 だが、終わりはいつだって、新たなる“始まり”を代わりに告げてゆくだろう。

 な〜んちゃってね。

 こんなふうな感傷に、思いっきりひたらせてくれるのが『ラスト・キャバレー』という作品なのだ。平成『ガメラ』シリーズや『クロスファイア』で知られる日本映画のエース、金子修介監督の、日活ロマンポルノへの惜別の一篇。 “読む映画リバイバル『ラスト・キャバレー』” の続きを読む

読む映画リバイバル『縄と乳房』

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美術は、鈴木清順監督と名コンビの木村威夫

(2000年6月号より)

 京都。それは夢破れ傷つき、人生(とくに色恋沙汰)において悩める者たちの格好の“佇み”スポット。名所旧跡で、フっとため息などつくだけで、らしい“絵”がたちまち出来上がる。で、女がひとり、佇んだりしている場合、BGMは渚ゆう子の『京都の恋』『京都慕情』、あるいは由紀さおりの『女ひとり』と昔っから決まっている。とにかく京都は、悩める者たちにとって歌謡曲的に、つまりベタベタに、“絵”になる聖地なのだ。 “読む映画リバイバル『縄と乳房』” の続きを読む

読む映画リバイバル『天使のはらわた 名美』

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あの“天使のはらわた”シリーズ第3弾ですわ

(2000年7月号より)

 雨だ。雨の日はキライだ。カラダがべとつき、おまけに気分が鬱屈するからだ。そうだ。こんなときはロマンポルノを観よう。石井隆原作・脚本、田中登監督の『天使のはらわた 名美』。79年作品。 “読む映画リバイバル『天使のはらわた 名美』” の続きを読む

読む映画リバイバル『妖精の部屋 天使が濡れるとき』

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音楽はプリズム。人気フュージョンでやんす

(2000年9月号より)

 どこの誰が唱えたのか、「終わりよければ全てよし」。けだしこれは名言である。物事は竜頭蛇尾ではいけない。最後の最後、“締めくくり”が大切なわけで、人生そこが大いなる悩みどころである。 “読む映画リバイバル『妖精の部屋 天使が濡れるとき』” の続きを読む

読む映画リバイバル『主婦と性生活』

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愛は金では買えません 金も愛では買えません

(1998年8月号より)

 セックスを金で売ったり買ったりすること。これは言うまでもなくセックスに、貨幣原理による“経済システム”が導入されるということだ。10万円で取引された セックスは、10万円で買える分だけの価値があり、わずか10円で取引されたセックスは、10円で買える分だけの価値しかない。 “読む映画リバイバル『主婦と性生活』” の続きを読む

読む映画リバイバル『(秘)色情めす市場』

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本当の「聖者の行進」とはこういうものだ!

(1998年6月号より)

 今回はひとつ、本作をめぐる極私的な思い出をザックリと語らせてもらおう。

 いまから10数年前。大学生の頃のことである。つまり80年代の半ば。学園祭の恒例オールナイト上映会のラインアップに、当時俺の所属していた映研はこの映画を潜りこませたのだ。 “読む映画リバイバル『(秘)色情めす市場』” の続きを読む

読む映画リバイバル『(本)噂のストリッパー』

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今年でケンちゃん37歳 いまも現役の俳優です

(1998年5月号より)

 たった1本の映画が――人生を思いも寄らぬ方向へと導いてしまうことがある。それは観客サイドだけでなく、もちろん製作者サイドにも起こりうる不測の事態だ。例えば『(本)噂のストリッパー』というこのロマンポルノ。かつて名子役として人気を博したひとりの俳優にとって、これはまさしく“運命の映画”なのであった。

 まだ〈チャイドル〉なんて言葉のなかった60年代。映画にTVに活躍し、7才のときから始まった主演作『ケンちゃん』シリーズでその俳優、宮脇康之はお茶の間のアイドルとなった。絶大なる人気ぶりといったらもう、ほぼ同年代の俺から見ても当時羨望のマトであった。シリーズの舞台が寿司屋、ケーキ屋、おもちゃ屋に、レストラン、そば屋、フルーツパーラーと毎回変わっていくのもステキで、
「カアチャン、なんで俺を“宮脇康之”に産んでくれなかったァ!」
 と恨めしく呟いたもんだが、さすがにシリーズ最新作『フルーツケンちゃん』の頃などは観ているはずもなく、
「まだやってんだ、ケンちゃん……」
 と、同情とねぎらいの気持ち。76年のことで、すでに15才になっていた。

『(本)噂のストリッパー』は堀越学園卒業後に、そんな宮脇康之が“脱=ケンちゃん”を目指して出演したロマンポルノである。監督には劇場デビューしたばかりの気鋭の森田芳光。イメージチェンジを図るには申し分のない企画だった。事実、映画の出来は良かったのだ。彼が演じてみせたのは、ストリッパー(岡本かおり)に片思いする純朴なアルバイト学生。別の女性を抱いて心の隙間を埋めていたのだが、そのストリッパーがマナ板ショーを始めたと知り、相手役に立候補。念願のセックスへと突入するものの向こうにとってはただのお仕事! 夢に生きる男の痛いところをクールに刺激する作品だ。

 宮脇康之、20才のときの大勝負。で、彼の自伝『名子役の虚構 ケンちゃんの真実』を繙いてみると、
「――略――よし、これが呼び水となって、再び仕事が入るようになるか。それとも芸能界から見放されることになるか。どっちか一つに賭けてみよう――略――」

 結果は見事に後者だった。作品にも彼にも罪はなかった。つまり、世の偏見に押しつぶされたのだ。

 それにしてもこの自伝、スゴイ内容です。帯からして
「芸能界史上最高の名子役の誰も知らなかった悲痛な舞台裏、ケンちゃんのイメージを守るためだけに、両親が離婚、兄が自殺未遂をしても、僕たちは最良の家族を演じ続けた…」

 チャイドル、必読の書である。

[ビデオボーイ掲載]
●監督:森田芳光●出演:岡本かおり、太田あや子、宮脇康之、他●1982年●日本

読む映画リバイバル『生贄夫人』

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役所広司、黒木瞳主演によるもう一つの『失楽園』を夢想する

(1997年8月号より)

 久木祥一郎と松原凛子。
 この二人の名にピンときたアナタは『失楽園』ブームの一端を担ってきた方なのだろう。原作を読んだか、はたまた映画版を観たか。それぞれの家屋を犠牲にし、真実の愛とやらに殉じていく男と女。映画ではシンシンと雪が降りしきる中、役所広司と黒木瞳扮する〈祥一郎と凛子〉の、その道行きを貫徹するラストがまた、とりわけ深い余韻を残していた。

 それはそれでいいのだ。そんな風に美しく人生を諦められたら実に悦ばしいことではあろう。本当に。

 ところがここに、心中をしたにもかかわらず、そうは簡単には美しく死なせてもらえなかったカップルが存在する。『生贄夫人』の東てる美と影山英俊扮する若きカップルだ。

 山中に、仲よく並んで仮死状態にあった二人。それまでさんざんヒロインの谷ナオミを責めまくっていた、サディスト男に見つかったのが運のつきだった。女のほうは死姦されて息を吹き返し、廃屋に連れていかれ、のちに男がそこに自力で辿りつく。

 谷ナオミはサディスト男に訊ねる。
「やっかいなお荷物を背負い込んだものね。なぜ助けたりしたの?」「妬ましかった……」「妬ましい?」「顔がね、笑ってたんですよ。幸せそうにね。まるでもう、自分たちの愛を信じきっているといった顔で……」「死人に嫉妬するなんて……あなたらしいわ」

 そうして縛られ泣きじゃくる女に、谷ナオミが駄目押しでこう云う。
「どうして死んでしまわなかったの。……これから生き恥をさらすことになるというのに……」

 男がハッと目を覚ますと、自らは柱に括りつけられ、そこには縄化粧の恋人が、例のサディスト男に浣腸を一発お見舞いされるところであった。「 ウッー」という呻き越えとともに恋人の目の前で失禁する女。

 ホント、死んでおけば良かった。

 それにしてもドリフのコントではないが、もしも祥一郎と凛子の心中現場に、このサディスト男が現れていたなら――雪の上の浣腸――。

 それもまた、もうひとつの失楽園と呼ぶべき光景かもしれない。

[ビエオボーイ掲載]
●監督:小沼勝●出演:谷ナオミ、東てる美、坂本長利、他●1974年●日本

読む映画リバイバル『大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート』

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1975年産のオトナのための映画のおもちゃ

(2000年10月号より)

 人形にとり憑かれた男がいる。

 といっても、いっこく堂のことではない。医師だ。この『大人のおもちゃ ダッチワイフ・レポート』に登場する、北極調査隊の担当医(益富信孝)のことだ。 “読む映画リバイバル『大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート』” の続きを読む

読む映画リバイバル『花芯の刺青 熟れた壷』

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キェシロフスキ・コレクション開催中に緊急紹介

(2003年5月号より)

 日本の、そして日活ロマンポルノの“キェシロフスキ”といえば小沼勝だ。
なぬ!? Who is キェシロフスキ? “読む映画リバイバル『花芯の刺青 熟れた壷』” の続きを読む

読む映画リバイバル『女校生偽日記』

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「偽」日記にあのコとヤったと書いておこう

(1998年2月号より)

 先日、庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』を観てきた。そう、村上龍原作の、あの『エヴァ〜』の庵野監督初の実写映画。 “読む映画リバイバル『女校生偽日記』” の続きを読む