こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
あ、この回のコラム原稿は謎の独り語り調でしたので、語り手風助っ人に登場いただきます。
ども!助っ人です。
データ
1983年
監督:中原俊 脚本:森田芳光
出演:林亜里沙、門万里子、阿部雅彦、金田明夫、山根久幸、榎木兵衛、桐山栄寿、渡辺さつき、藤村まき、新宅正二、甲斐直人、ニ家本辰巳、朝比奈順子、鶴田忍
キーワード「3年目の浮気」とは?
(轟夕起夫)
ご紹介します。今回はこの映画、『3年目の浮気』。さて、このタイトルに聞き覚えない?
慣用句みたいに使われてますね、3年目の浮気。
そういえば昔、こういうタイトルの歌謡曲あったような気がする、って言いたかったよね?
いや…
そう、あったんです!『3年目の浮気』。1982年に大ヒットしたデュエットソングね。こーゆー。
「バカ言ってんじゃないよ〜お前と〜俺は〜ケンカもしたけど一つ屋根の下暮らしてきたんだぜ〜」
映画が1983年だから、歌の方が先。
話題作りにヒット曲のタイトルをまんまいただいちゃったパターンですね。
唄ってたのはヒロシ&キーボー。ヒロシってのは黒沢ヒロシ。あの黒沢年雄の弟だよね。
あ、黒沢ヒロシさんの話でしたね。じゃなくて、ロマンポルノの方の『3年目の浮気』の話をしてください。
黒沢ヒロシって、寺内タケシとバニーズのメンバーだったよね、デビュー当時ね。
もうその話はいいです。
1966年に結成されたんだ。寺内タケシといえば 「エレキの神様」だよ。何でもエレキでインスト化しちゃうんだ。
いちばんスゴいアルバムは「レッツ・ゴー 運命」。ベートーヴェンもショパンもドボルザークもみんなテケテケ、エレキ・インスト!
話がどんどん映画から遠くなってます!
あと、寺内タケシのボーカルものでは「太陽野郎」
「太陽の花」「愛のリメンバー」とか。
話、戻るんでしょうね!
で、その寺内タケシとバニーズにいた黒沢ヒロシが、GS衰退後、役者生活を経て、元OLの山田喜代子=キーボーと出したのが「3年目の浮気」ってわけ。
ちょっとだけ戻りました、もうひといき!
1983年のロマンポルノ『3年目の浮気』は、このヒット曲をフィーチャした企画もの。
きました、やっと映画の話!
中原俊監督の5作目ね。
脚本は森田芳光で、明るく軽く、まさに1980年代の「軽チャー」気分が横溢している。
森田芳光監督が脚本参加ですか。森田芳光が監督したロマンポルノ映画もありますね、こちら!
森田監督についてはこちらにも関連記事があります。
最後にカラオケでこの歌、登場するんだけど、夫と妻と愛人が、唄で、絶妙な心情をあらわすんだ。ここは必見!
あ、劇中で歌われてるんですね「3年目の浮気」。
あと見どころとしては水泳スクールのコーチ役で金田明夫が出ている。金田明夫ってあちこちのドラマに顔出し続けてるよね。『HERO』『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』『民王』『東京タラレバ娘』…。あともうひとり、バイプレイヤー鶴田忍も出ていてFUCKもする。
ところでさ、黒沢ヒロシって改名したよね。黒沢博に。あのさ、黒沢博の宝物が、プレスリー本人が汗を拭いた「ELVIS」イニシャル入りの白いハンカチなんだって。前にホームページで見た。
また脱線…
しかし「3年目の浮気」って死語になりそうなのに、時々復活するんだよね。どこぞのスポーツ新聞が、「3年目の浮気、きっぱり否定」ってタイトルでフツーにゴシップ記事だしてたりするし。そもそもがアルアルだからすたれないんだな。でしょ。
てことであとはよろしく。
……。
では、《しかし「3年目の浮気」って死語になりそうなのに、時々復活するんだよね》の補足をさせていただきましょう。
例えば2012年のソフトバンクモバイルのキャンペーンCM(学割で3年タダ)では、替え歌が流れていました。この時は黒沢博本人が出演もし、トリンドル玲奈とデュエットし歌いあげていたのでした。その歌詞の一部をご紹介して締めさせていただきます!
黒沢「ただ言ってんじゃないよ〜ソフトバンクは〜ホワイト学割学生3年タダ〜なんだぜ〜(以下略!)」
トリンドル「超イミフ〜いつも3年無料で〜(続きます)」
ビデオボーイ2001年7月号掲載記事を改訂!
『3年目の浮気』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)
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