解る!おすすめレトロマン『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』

女子ファンじわじわ増加中で絶賛注目の日活ロマンポルノ。理由はこちら。

轟夕起夫の復刻コラムで、おすすめタイトルをご紹介。

コラム執筆当時、日活ロマンポルノの製作終了から既に10年が経っていました。執筆からさらに約20年経った今読めば、むむっ!なんと見えてくる昭和から令和に至るカルチャー史!

コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

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セックスは祭りだあい 祭りはセックスだあい

Photo by Jaeman Jung on Unsplash

 すでにご存知の方も多いかも知れないが、これは改めて喜びを記しておきたい。

 小沼勝監督がやった! 先頃、第51回ベルリン国際映画祭に『NAGISA-なぎさ-』を出品したところ、“キンダーフィルム”部門で見事グランプリを受賞。いやあ、これが喜ばずにいられようかってんだ!

『NAGISA-なぎさ-』の原作はヤングサンデーの漫画!

 “キンダーフィルム”というのは、読んで字のごとく「児童映画」のこと。当映画祭には1978年より設けられた由緒正しい部門である。

 『NAGISA-なぎさ-』は、小沼監督がロマンポルノ終焉以来12年ぶりにスクリーンに復帰した、しかも初の一般映画。今回は候補作200本の中から選ばれての堂々のグランプリであった。

 ところで、ここでちょいとイイ話をひとつ――。ベルリン映画祭といえば、2000年『独立少年合唱団』を出品して、アルフレート・バウアー賞(新人監督賞)を獲得した緒方明監督。このお方、若かりし時分、小沼作品に出たことがあるという。

 それが『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』である。もはや映画史上空前の大乱交シーンとして、世界遺産に数えられる悶絶クライマックス。野獣と化した男ども十数人が、ヒロイン(風祭ゆき)に襲いかかり、「ワッショイワッショイ」と全員でヤリまくっちゃうセックス祭り。

緒方明監督作は『のんちゃんのり弁』(2009年)など。他にWOWWOWドラマ『この街の命に』(2016年)が動画配信されてたりします。

 緒方氏はつまり、この別名「風祭まつり」に当時アルバイトだかで駆り出され、男どものひとりとしてやはり「ワッショイワッショイ」と参加していたわけなのだ。

緒方明監督は『シン・ゴジラ』(2016年)では海洋生物学者役で出演してます!

 ちなみに本作には、ヒロインとランニング中の男どもがスレ違い、互いにエロエロ光線を交わし合う、なだらかな坂道がたびたび登場するのだが、この印象的なロケーションを用意したのは助監督の中原俊弘、のちの中原俊である。

 くだんの坂道を探し出したとき、彼は風祭さんと早くも映画の成功を確信し合ったのだとか。なるほど、監督デビュー作『犯され志願』(1981年)に風祭さんが出演されているのも納得です。

中原俊監督作は『櫻の園』(1990年)、『富江最終章 禁断の果実』(2002年)など!

 さて、イイ話づくしの本作にもひとつだけ謎が。それはタイトル。「妻たち」としっかり銘打ってはいるものの、妻役なんて風祭さんしか出て来ないのだ! けれども、ま、そんなことはどうでもいいか。

 ポルノからキンダーまで、何でもありの小沼監督の「映画力」の底知れぬ凄さのほうがよっぽど謎だ。

 『NAGISA-なぎさ-』は、2001年4月に池袋の新文芸坐、吉祥寺のバウスシアター2などで凱旋公開。キネマ旬報ベストテンで新人女優賞に輝いた松田まどかの溌剌(はつらつ)さ、可憐さを観逃していた方、ぜひぜひ足を運んでください。

作品データ ●監督:小沼勝●出演:風祭ゆき、高原リカ、他●1980年

月刊ビデオボーイ2001年5月号掲載コラムより!

『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今・・・』は、

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ほかの動画配信サービスで配信されています。

また、日活ロマンポルノ作品は、下記の動画配信サービスで配信されています。
(2020年1月現在。視聴には各サービスの登録が必要です。サービスによって観られる作品に違いがあります)

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