読む映画リバイバル『嗚呼! おんなたち 猥歌』

再検!日活ロマンポルノ

(1997年4月号より)

 ずいぶん前に一人のフェラチオ女が話題になったことがある。今から4年前、横浜で行われた2ライブ・クルーのライブで、ステージに引き上げられた女がいきなりメンバーのパンツを下ろし、なんと観客の前でおフェラをしたというあれだ(『クイック・ジャパン創刊準備号』)。

 これを読んで、すぐに思い出したのがオールナイトで観たこのロマンポルノだった。神代辰巳の『嗚呼! おんなたち 猥歌』。ロックスターの内田裕也はライブ 中、会場最前列の女の髪をひっぱり、自分の股間に顔をあてがい、いきなりイチモツをくわえさせるのである。腰をグラインドする裕也。熱狂する観客。女を放 した裕也は興にのり、オナニー・パフォーマンスへと突入してゆく!

 そしてステージが終わり、マネージャーの安岡力也(ゲゲッ、濃すぎるよ、このコンビ)はこう言うのだ。
「おつかれさまでした。ジム・モリソンまっ青のズリセンでしたぜ!」

 まさにロケンロール・パンク期における、内田裕也ならではの、胸のすくよな暴走ぶり。オールナイトの客席中が、大爆笑で包まれたもんだ。

 2人の女をメロメロにし、さらに力也の女にまで手を出して、道行く人々に通り魔パンチくらわすロケンロール裕也。俺は腹をかかえ、客席もますますヒートアップしていった。

 だが、その笑いが最後、ホストへと転落し、中年女の相手をする裕也にまで浴びせられた時、「テメエら、それは違うだろ」と心の中でつぶやいていた。中年女の カラダを丁重に洗い、腰を振って、ひたすら奉仕をするしがないホスト裕也。BGMには萩原健一&沢田研二「ローリング・オン・ザ・ロード」が流れている。

 おい、ここは泣きどころだろ!

 裕也の顔。腰を振り、果てるしか能のない、どうしようもない生き物の栄光を、シェキナベイビー裕也のその顔はシカと刻んでいた。嗚呼。

[ビデオボーイ掲載]
●監督:神代辰巳●出演:内田裕也、中村れい子、安岡力也、他●1981年●日本