読む映画リバイバル『妖精の部屋 天使が濡れるとき』

再検!日活ロマンポルノ

音楽はプリズム。人気フュージョンでやんす

(2000年9月号より)

 どこの誰が唱えたのか、「終わりよければ全てよし」。けだしこれは名言である。物事は竜頭蛇尾ではいけない。最後の最後、“締めくくり”が大切なわけで、人生そこが大いなる悩みどころである。

 のだが! 実際には「終わりよければ全てよし」なんて桃源郷に着地できるのは希有なことだ。映画だってそうだろう。「終わったから終わった」としか取りようのない、射精後のイチモツみたいな萎えたラストなどざらである。

 その点、日活ロマンポルノという映画ジャンルは、大胆だったのか投げやりだったのか、ハナっから話を締めくくる気力なし。むしろ「え!? それで終わりなの?」てな挑戦的なエンディングを観る者にブチかますパターンが多かった。

 いやまあ、制作側としてはキレイに締め括ろうと毎回悩んではいたと思う。しかし結果は「人生そう簡単に答えなんか出せねえんだよ!」と開き直ったかのような、はたまた「何が“終わりよければ全てよし”だよ!」と逆ギレしたかのような無謀なラストが出来上がってしまっていた。

 今回の『妖精の部屋 天使が濡れるとき』(公開時タイトルは『16歳・妖精の部屋』)もまた、無謀なエンディングで終わる。しかもものスゴく唐突に。さっきまで描かれていた「初体験し、セックスに目覚める少女」というヌルい精通話は一体何だったのよ? とおそらく問い合わせ殺到のエンディング。

 同じ77年に公開された『ビリティス』の線を狙ったとおぼしき、宮井えりなと早瀬しおりのレズシーン――すなわち年上女から手ほどきを受けるヒロインの“図”。そこだけが仄かに甘い匂いを残し、あとは何事もなかった顔をして、画面にはスタッフのクレジットがスルスルと上がっていく。

 それは、こんなエンディングだ。

 夜空には打ち上げ花火が舞い、お祭りのシーン。親父役の内田良平(!)に向かって、「お父さん、こっち」などと言いながら、人込みの中へと消えてしまうヒロイン。振り返った内田良平が見たものは?

 ワッショイワッショイ。カラダにサラシを巻き、神輿に乗っけてもらったヒロインが、お祭り野郎たちに担がれて、ワッショイワッショイ。すると次は全裸になっていて、どデカい木の筒を股にはさんで、ワッショイワッショイ。そのままストップモーションで映画はあっけなく「劇終」。

 な、何これ!?
 トン祭り(みうらじゅん)か?

 というわけで、ならばこっちも負けずにワッショイワッショイ!
 さよおならのプ〜。

[月刊ビデオボーイ掲載]
●監督:加藤彰●出演:早瀬しおり、宮井えりな、小川 亜佐美、他●1977年●日本