『団鬼六 OL縄奴隷』日活ロマンポルノ映画おすすめ復刻コラム

Photo by Kwang Mathurosemontri on Unsplash

期間限定

館理人
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こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。

館理人
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その前にロマンポルノ解説を少々。

館理人
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ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。

詳しくはこちらで紹介しています。

館理人
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前置き以上!

あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

データ

1981年
監督:藤井克彦
脚本:鈴木則文 音楽:甲斐八郎 原作:団鬼六 「人妻しぐれ」
撮影:水野尾信正 照明:加藤松作
出演:麻吹淳子、小川亜佐美、梓ようこ、山地美貴(新人)、野上正義、浅見小四郎、島和廣、石山雄大、浜口竜哉、玉井謙介、山口節子、内田博子、古谷千春、エリック・D・ウィガード、ヘンリー・マーク

SM界のイングリッド・バーグマン、麻吹淳子の高貴さよ永遠なれ

(轟夕起夫)

 団鬼六先生に「SM界のイングリッド・バーグマン」と呼ばれた麻吹まぶき淳子主演。3年もの不倫関係を清算したいと銀行の上司(石山雄大)に切り出され、ショックで泥酔。そこをストーカー男につけこまれ、拉致られてSM地獄に落とされるというお話である。

館理人
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イングリッド・バーグマン!
ハリウッド女優ですがスゥエーデン出身なんですよ、LILIKOさんと一緒。深意はないです。代表作は『カサブランカ』『ガス燈』など。

 サントリー文芸賞「宮崎駿の〈世界〉」ほか、精力的な執筆活動で知られる評論家の切通理作氏は、本作でロマンポルノを初体験したそうだ。

 高2のとき吐きそうになるほどショックを受けたが、何度も観ていくうちに、いまでは麻吹淳子のSM映画の中で一番好きなものになったらしい。彼はこんな卓見を述べている。「どんなひどいことをされていても、画面に写っている以上、その人は肯定されているのだという背理になにか人生の秘密を覗いたような気がしたのだ」(「映画芸術No.395」)

 わかる。俺も全面的にそう思う。

 スクリーンの中であれ何であれ、表舞台に身をさらし、人の記憶に残るようなことをするのは大変な努力なのだから。

 おっと、『団鬼六 OL縄奴隷』の話に戻ろう。

館理人
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お願いします。

 田舎からやってきていた妹(山地美貴)もさらわれ、エジキになる。彼女の目の前にアラレもない姿をした姉が吊り上げられていき、SMの猛者の童話作家(野上正義)がそこに衝撃の一言を放つ!

「これはメルヘンなんだよォ〜」

 以後、麻吹淳子はどんどん調教されていき、最後は日記に「私はOL縄奴隷!」と書きつけて、映画は唐突に終わる。

館理人
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終わり!? もっとどうになかなりませんか。

 ところで1980年代にポスト谷ナオミとしてSM映画で活躍してきた麻吹淳子だが、キネ旬の女優辞典によれば、「体をこわして引退した」という一文で締め括ってあった。

 何が理由かは知らないが、「そりゃ体もこわすよ」と思わせる作品ばかりにチャレンジしてたからねえ〜。

 男のメルヘンは、女の悪夢だ。逆も真なり、ではあるが、男のメルヘンってヤツは本当にやっかいだ。でしょ?

館理人
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「逆」てのは、「女のメルヘンは男の悪夢」ってことでしょうか。反論するのも面倒なので、女性代表として流しておきます。

轟

ビデオボーイ2003年8月号掲載記事を改訂!

館理人
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団鬼六 OL縄奴隷』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)

館理人
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