ハリウッドでもリメイクされました!
レビューをどうぞ
番組の中で本当に殺人事件が起きて大わらわ的な展開に!
【概要】
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』と同じく、全編ビデオカメラのP.O.V.(ポイント・オブ・ビュー)を駆使したホラー映画。
ハリウッドで先頃、ジョン・エリック・ドゥードル監督、『エミリー・ローズ』のジェニファー・カーペンター主演で『Rec/レック:ザ・クアランティン』としてリメイク、公開された。
『Rec/レック:ザ・クアランティン』は第二作目『Rec:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇』(2011年)も作られています。
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【レビュー】
お化け屋敷のような閉所感覚を怖がってもよし。事態のトンデモなさにツッコみながら笑うのもあり。はたまた、ヒロインの阿鼻叫喚ぶりにサディスティックな興奮を覚えちゃうのもいいだろう。
そんな多目的なスパニッシュホラーが、この『REC/レック』だ。
息が詰まる閉所感覚は、逃げ場を失っていく1台の手持ちカメラの“主観映像”が作りだしていく。つまり消防士を密着取材するドキュメンタリー番組のロケ中に、TVクルーが事件に巻き込まれるのだ。
消防士に突如噛みつく老婆。いたいけな少女の変貌……警察に「撮影を止めろ!」と言われても、どんな恐ろしい光景が眼前に現れようとも、記録し続ける番組カメラマンのド根性に感心するやら、呆れるやら。
そして、封鎖されたアパート内で怪事件の真相を突き止めようとする女性リポーター。
演じるマニュエラ・ヴェラスコは実際、ローカルTV局のリポーター経験者で、巨乳かつ、なかなか可愛く、観る者の被虐性を刺激する。
後半、映画の行方は、例えてみるなら「緊急生放送!大都会警察記録24時」みたいな番組の中で本当に殺人事件が起きて大わらわ的な展開に。
カメラのライトが壊れて真っ暗になり、暗視スコープが映し出していく異様なクライマックスは、それまでツッコミ入れまくっていた人からも、さすがに笑みを奪うだろう。
シッチェス国際映画祭で最優秀監督賞ほか3部門を受賞。本国スペインでは100万人以上を動員した。昔からホラー好きなスペインの国民性を知る、格好の“教材”にもなるかも。