松田優作の映画デビュー作はショッキング!『狼の紋章』レビュー

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Photo by Darren Welsh on Unsplash
館理人
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狼男モノでの仇役が松田優作の映画デビューでした。

館理人
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翌年には『竜馬暗殺』に出演してたり、『あばよダチ公』で主演していることを考えると、『狼の紋章』はちょっと違和感ありますが・・・

館理人
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演じているのはカナリな不良高校生。日本刀の野性味あふれる殺陣ですでに大物の存在感あり! 真剣で特訓したそうです。

館理人
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内容についてはDVD化された際の轟のレビューにて!

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鬼気迫る松田優作と、チープな被り物した志垣太郎のアンバランスにショック!

平井和正原作のベストセラー「ウルフガイ」シリーズの映画化。

館理人
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コミックにもなってます。舞台を現代に変えたヤングチャンピオン版は全12巻。

アラスカで育った野生の男・大神明が博徳高校に転校してくる。明は早々にクラスメイトである大物ヤクザの2代目・羽黒に目をつけられる。

監督の松本正志は「戦争を知らない子供たち」でデビューするも、問題作ゆえに1年間お蔵入りを経験した東宝の鬼才。

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 ちょいとプレイバック。

 知る人ぞ知る、松田優作の映画デビュー作『狼の紋章』を紹介しよう。

 公開は1973年。といえば、テレビではちょうど『太陽にほえろ!』のジーパン刑事役で注目を集め始めていた頃だが、この映画での優作はいきなり詰め襟姿で登場する。

 ヤクザの組長の一人息子・羽黒獰。極悪不良グループの陰の番長で、学園を支配している男……そう、彼に与えられたのは仇役。主人公ではない。

 では、主演は一体誰なのか?

 志垣太郎である。テレビバラエティ「噂の!東京マガジン」「踊る!さんま御殿!!」でもお馴染みの、濃ゆい三枚目キャラが持ち味の人だけど、当時はキリリと凜々しい美青年。狼の血を引く、犬神明を熱演している。

 映画は全編この稀人、すなわち狼男=ウルフガイである犬神明の異能と苦悩を画面に叩きつけ、しかもエロ&バイオレンス満載な1970年代特有の空気もバンバンに詰め込んで、見る者を満腹にする。

 大胆にも皇居周辺でロケを敢行。優作の役柄は大和民族の象徴的存在で、クライマックスにはフンドシ一丁になり、女教師を手込めに……これは相当な衝撃映像だが、もっと衝撃的なのは志垣太郎が変身後、まるで罰ゲームのようなチープな狼のカブリモノを着けていること!

 しかし、たとえ悪の権化であっても、チープなカブリモノを相手にしてもラスト、純白の軍服で日本刀を振りかざす優作には鬼気迫るカッコよさがある。

 最後の映画『ブラック・レイン』でも仇役を全うしたが、改めてこう思う。その役者魂はすでにここから始まっていたのだと──。

館理人
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『ブラック・レイン』はハリウッド大作! 詳しくはこちらの記事で紹介してますヨ!

轟

週刊SPA!2000年10月24日号掲載記事を改訂!