日活ロマンポルノおすすめ復刻コラム『大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート』曽根中生!

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館理人
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こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。

館理人
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その前にロマンポルノ解説を少々。

館理人
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ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。

詳しくはこちらで紹介しています。

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前置き以上!

あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

データ

1975年
監督:曽根中生
出演:ひろみ麻耶、益富信孝、丘奈保美、粟津號、木島一郎、たけうちのぶし、織田俊彦、藤ひろ子、しば早苗、扇アリサ、宮崎あすか、長弘、佐藤了一、谷文太、影山英俊、西沢敏朗
脚本:大和屋竺

1975年産のオトナのための映画のおもちゃ

(轟夕起夫)

 Photo by Arekore Brandon on Unsplash

 人形にとり憑かれた男がいる。

 といっても、いっこく堂のことではない。

館理人
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わかってますよ。

 医師だ。

いっこく堂さんは腹話術師。

 この『大人のおもちゃ ダッチワイフ・レポート』に登場する、北極調査隊の担当医(益富信孝)のことだ。

 彼は観測基地の中に幽閉された隊員たちを救うため、ある作戦を決行した男として、まず我々の目の前に現れる。秘密兵器ともいうべきダッチワイフのBB(べべ)の使用を許可し、発狂&暴発寸前の男どもを慰めたのだ。

 ちなみに最初にBBのお世話になる隊員役が名バイプレイヤーの粟津

粟津號さんの著書、あります。

石原プロ製作の刑事ものテレビドラマ「大都会PARTII」(1977〜1978)とかにレギュラー出演していました。

 さて。内蔵テープで睦言と吐息を漏らし、グイグイ、クキキキと人間そっくりに機械仕掛けで動くBB。しかし日本に帰ってくるや医者は、より高性能なダッチワイフを開発しようと工房を訪ね、生みの親である人形師に「BB2号を作れ」と新たな計画書を渡す。

館理人
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ちなみにBB-8なら『スターウォーズ』キャラ!

 と、そこで何気なく発したひと言がいけなかった。
「俺はBBの洗浄はしたが、一度たりとも使いやしなかったよ」

 しらじらしくそう言い放つ医者に対し、著しくプライドを傷つけられ、カチンときた人形師。

「だったら今度のヤツも絶対に抱くなよ」と挑発するや、「もちろん」と医者は指切りをするのだった。

 いやあ面白え話でゲス。脚本は誰か?
 人形にとり憑かれた男、大和屋竺。

 鈴木清順門下生で、『荒野のダッチワイフ』(1967年)なんて監督作もあって……と説明し始めるとキリがないので、こちらも興味のある方は「悪魔に委ねよ」(ワイズ出版)、「大和屋 ダイナマイト傑作選」(フィルムアート社)を読んで頂戴ね。

ロマンポルノ以外に手がけた脚本に、『八月の濡れた砂』(1971年)、『番格ロック』(1973年)、『傷だらけの勲章』(1986年)など。

映画論の著書もあります。

巨匠・鈴木清順監督については轟も編著で参加した本をご紹介。

館理人
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記事もありますヨ。

 話を進めよう。医者は帰国後、やはりBBをひそかに自宅に運んでいた。しかも専用テープまで仕込んで、ウヒウヒと抱いていた。その姿はさながらダッチワイフ漫才。だが、生身の女ではなく、人形に魅入られた男はふと思う。

「ところでBBのモデルって一体誰よ?」

 イヤな予感は当たった。人形師の亡き妻だった。幻滅。

「でも今度のは俺の理想の女がモデルさ」

 やがて彼のもとにBB2号が届いて、喜び勇んでのしかかったその時!
「う、うぎゃ〜〜〜」

 人形師によって細工された、文字通りの“万力”。餌に魚が食いついた光景を眺めているのは、用なしとなったBBただひとり……。

 スゴイ映画だ。監督は曾根中生。だが、この異才に関しての書物は、残念ながら1冊も出ていない。

曾根中生監督の自伝本がこのコラムが書かれた後、文遊社より『曽根中生自伝 人は名のみの罪の深さよ』として2014年に出ました!

失踪していた時期もある監督、当時のことも書かれています!

ビデオボーイ2000年10月号掲載記事を改訂!

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