読む映画リバイバル『女囚101 しゃぶる』

再検!日活ロマンポルノ

女だらけの水泳大会と女囚映画、最近ないネ

(2000年1月号より)

 女囚映画は娯楽の宝庫だ。

 どんな娯楽かといえば言うまでもない。右を向けばサディスティックな(女)所長と(女)看守、左を向けば(女)ボス囚人と(女)新入り囚人が、わんさかわんさか。どこをとっても女女女女女女女女女女女女女女。

 おんな。

 それがレイプやらキャット・ファイトやらレズビアンやら入浴シーンやら拷問生体実験を繰り広げるとあれば暴動もんの娯楽だろう。

 しかしこれは嬉しい反面、女体というものをあまりに安易に軽々しく粗末に扱っているようで、実は観る者をとても不安にさせるジャンルでもある。何しろ映画に女体(つうかハダカ)がたくさん投入されればされるほど、そのひとつひとつの価値が下がってしまうという、恐ろしいテーゼが存在するからだ。だから東映の奇跡の恨み節=『女囚さそり』シリーズなどは、ヒロインの価値を下げぬよう思いっきり極端に暴走させ、例のテーゼを忘れさせるほどに観る者を振り回し、最終的に「どこに連れてくんですか?」と訊きたくなる場末にまで人を拉致する。

 ではこの女囚映画、日活ロマンポルノとの共犯関係はどうだったのか? というわけで、谷ナオミ主演の『女囚101 しゃぶる』である。これは、どのへんが一体「しゃぶる」なのか世を徹して語り尽くしたい逸品だが、なかなかの暴走ぶりをみせる。はじめこそ女囚映画のムード満点だが、ヒロインの谷ナオミが監獄で回想モードに突入すると、人を着地不能のフライトへと招待する。

 谷ナオミは入獄する前、しがないスナックのママだった。そこに“水島兼一”という名の演歌の流しが登場する。この男、気のいいヤツで、唄もそこそこイケる。しばらく二人の甘やかな生活が続く。

 しかしナオミは兼ちゃんを売り出すための金をダニのような男にだまされ、おまけにセックスまで強要され、ソイツをブッ殺し、ついにお縄になる。そして、監獄で兼ちゃんがスターになったのを知るのだ。

 こうなったらナオミは物語の流れ上、脱走し(女二人で手錠に繋がれたままで逃げて途中で切断するパターン)、さらにいろいろあって、結局腕に手錠をしたまま兼ちゃんに会いにいき、あっさりと殺されてしまう……兼ちゃんは他の女と結婚しようとしていたのだ!

 劇中の挿入歌は「𠮟らないで」。唄うは大道一郎、これが名曲。中古レコード屋で見つけたら即ゲットだ。あ、あと映画のラストはしっかり「恨み節」してるんでちゃんとしゃぶりつくすように。じゃあまた来月。

[ビデオボーイ掲載]
●監督:小原宏裕●出演:谷ナオミ、渡辺とく子、井上博一、他●1977年●日本