こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
データ
監督:すずきじゅんいち
出演:赤坂麗、黒木玲奈、早坂明記、手塚英明、水城蘭子、坂元貞美
セレブのお嬢様のひとりごと?
(轟夕起夫)
よく雑誌の企画で、著名人に本屋で自由に書籍を選んでもらい、コメントを紹介するヤツってあるでしょ。もちろん書籍購入代金を払うのは編集部。
こちら2003年の雑誌コラムの復刻となりますので、20年前の時代感です。様々な雑誌がたっくさん巷に溢れてました。
書籍を取り上げるのは、TVバラエティ番組でも時々やってる企画ですね。読書好きのタレントがプライベートで読んだお気に入りの書籍を紹介する体裁なので、書籍購入代は自腹ですけどね。
まったく羨ましい限りだが、お声がかかるのを待っていても仕方ないんで、自分でやることにした(資金がないんで古本屋バージョン!)。
書籍代を支払ってもらえる点が羨ましいようです。
待ち合わせ場所の某古本屋に、文筆稼業の轟さんが現れたのは昼下がり。
お。特集企画ページを勝手に始めました。いや、これロマンポルノの映画の紹介コラムなんですが…?
本はもっぱら古本屋で買うのだという。閑散とした店内をのぞき、まず轟さんが手に取ったのは、三ヶ島糸著の「奇人でけっこう」。奥方の筆による怪優・左ト全の伝記的エッセイだ。
散歩番組風でもありますね。いや、ロマンポルノ…
続いて即座に手が伸びたのは、藤脇邦夫の労作「定本 小林信彦研究 仮面の道化師」。
そして村井実「ぼくのピンク映画史」にも。
「やっぱりこのコラム書くのに必要ですから」…と言いつつ高平哲郎のインタビュー集「星にスイングすれば」もゲット。
妄想がめっちゃ楽しそうです。
これで総額4000円足らず。顔に満足の二文字が書いてあった…って、こんなことやってて楽しいのか俺? ていうか、自腹切って何やってんだよ!
いや、自腹で何の問題もない気がします。そもそも妄想ですから。いや、ロマンポルノはどうした? 一体何なんでしょうか!
でもね、これに負けないくらいひとり上手で自己完結したロマンポルノもあるんですよ。『令嬢肉奴隷』。
お!きましたっ!ロマンポルノ。
開幕早々、主人公の令嬢(赤坂麗)は、海辺を歩きながらこう呟く。
「ある夏の日のことでございます。嵐のように私を奪いそして去っていったあの男は一体何だったんでしょうか?」
67分後──粗野な使用人に犯されっぱなしの令嬢が海辺に微笑んでひとり。最初の場面である。そのひとり上手な作風を目の当たりにした者は皆、漏れなく特典として次のように叫ぶだろう。
「おいおい、こっちのほうが一体何なんだ? と問いかけてぇよ!」と。
自己完結という言葉の意味を知りたい人、忘れてしまった人がいたら、俺はこの映画を観ることを奨める。
ビデオボーイ2003年4月号掲載記事を改訂!
『令嬢肉奴隷』はアマゾンプライムビデオのレンタルタイトルにラインナップされています(2020年12月現在)
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