ジャパニーズ・ホラーの火付け役、そもそもの『リング』『らせん』とは?分かる『リング』シリーズ解説

館理人
館理人

『リング』と『貞子』に、ハリウッド版とか、貞子vs伽椰子まで…? どうなってんでしょう貞子の呪いのビデオ??

大人気ホラーシリーズですが、シリーズとして流れを把握しようとすると『スターウォーズ』並に、けっこうややこしい!

なので『リング』シリーズとは?を一気解説です。そもそもの「リング」の内容の紹介と、それがどう派生して連なっていったのかをまとめます!

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『リング』シリーズの概要

始まりは小説の大ヒットでした!

原作小説

鈴木光司のサスペンス・ホラー小説「リング」が刊行されたのが1991年。大ベストセラーとなり、その後シリーズ化。「リング」シリーズとして6作が刊行されています。

鈴木光司は、1990年「楽園」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。他著に『光射す海』『生死の幻想』などがあります。

「リング」(1991年)
「らせん」(1995年)続編
「ループ」(1998年)完結編
「バースディ」(1999年)外伝・短編
「エス」(2012年)
「タイド」(2013年)

映像化

ドラマ化もされた『リング』シリーズですが、人気はやはり映画版にありました。劇場の闇空間で観る迫力はやはり格別。ヒットを続けた映画版『リング』シリーズは7本を数えます。

映画はジャパニーズ・ホラーとして世界的に評価されました。じわりと寒気が走る演出が特徴の日本のホラーは、ダイナミックに恐怖が襲いかかるタイプのホラーが主流だったハリウッド映画とは違っていたからです。

『リング』はハリウッドでリメイクされるに至りました。主演は当時スター街道爆進中だったナオミ・ワッツ。ヒット映画となり、シリーズ化されました。また『呪怨』が『THE JUON/呪怨』に、『仄暗い水の底から』が『ダーク・ウォーター(The Dark Water)』になど、ハリウッドでリメイクが続き、ジャパニーズ・ホラー(Jホラー)のムーブメントの源流となりました。

映画 日本版

『リング』
原作:小説「リング」
(1998年/監督:中田秀夫、脚本:高橋洋、出演:松嶋菜々子、中谷美紀、竹内結子、佐藤仁美、松重豊、真田広之、ほか)

『らせん』
原作:小説「らせん」
(1998年/監督・脚本:飯田浩司、出演:佐藤浩市、中谷美紀、松嶋菜々子、松重豊、真田広之ほか)

『リング2』
原作:オリジナル[『リング』の続編]
(1999年/監督:中田秀夫、脚本:高橋洋、出演:中谷美紀、佐藤仁美、深田恭子、松嶋菜々子、真田広之、ほか)

『リング0 バースデイ』
原作:小説「バースデイ」の一編「レモンハート」
(2000年/監督:鶴田法男、脚本:高橋洋、出演:仲間由紀恵、田辺誠一、麻生久美子、田中好子、ほか)

❺『貞子3D
原作:小説「エス」
(2012年/監督:英勉 出演:石原さとみ、瀬戸康史、田山涼成、橋本愛、ほか)

❻『貞子3D2
原作:小説「エス」[『貞子3D』の5年後を描く]
(2013年/監督:英勉 出演:瀧本美織、大沢逸美、瀬戸康史、田山涼成、ほか)

『貞子』
原作:小説「タイド」
(2019年/監督:中田秀夫 出演:池田エライザ、塚本高史、ともさかりえ、佐藤仁美、ほか)

映画 海外リメイク版

ハリウッド版は、小説を原作としたものではなく、映画『リング』のリメイクとなります。また続編『ザ・リング2』は中田秀夫が監督しており、ストーリーはハリウッド版『ザ・リング』の続編であって、独自路線を行ったものとなりました。

・日韓合作韓国映画

『リング・ウィルス』(1999年/出演:ぺ・ドゥナ)

・ドリームワークス製作アメリカ映画

『ザ・リング』
(2002年/監督:ゴア・ヴァービンスキー 出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ほか)

『ザ・リング2』
(2005年/監督:中田秀夫 出演:ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、ほか)

❸『ザ・リング/リバース
(2017年/監督:F・ハビエル・グティエレス 出演:マティルダ・ラッツ、アレックス・ロー、ほか)

館理人
館理人

では、そもそもの映画版『リング』と『らせん』とは?

この2作品は、売れまくった小説を原作とした話題性から、ヒット間違い無しの状況で同時に映画化されました。

なので、2作あわせて内容紹介!

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『リング』『らせん』概要

『リング』概要

親戚の娘が、観ると必ず死ぬという噂の奇怪なビデオテープを観て亡くなったことを知ったTVディレクターの玲子(松嶋菜々子)。その単独取材中、玲子もそのテープを観てしまう。

『らせん』概要

幼い息子を亡くした解剖医の安藤(佐藤浩市)は、呪いのビデオテープを観て亡くなったという旧友の遺体を解剖。その胃の中から暗号の書かれた紙片が発見された。安藤は、旧友が彼にそのテープをこの世から消滅させるよう遺言を残したのだと解釈し、彼もまたそのビデオテープを手に入れる。

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『リング』『らせん』レビュー

身に覚えのある恐怖で、観終わってもさらに怖い、話題になった怨念モノ

 目の前に1本のビデオがある。観た者を、7日後に確実に死に追いやるという「呪いのビデオ」。たとえ噂であろうと、いい気分はしない。

 映画『リング』にはそんな「呪いのビデオ」が登場する。どんな画が映っているのかちょっと記してみよう。

 暗闇に男が佇んでいる……鏡の中で微笑む女……新聞の、「噴火」「突破」「警戒」といった無数の活字が生物のように蠢いたかと思うと……地を這いつくばる人々……男の不可解な手の動き……恐怖におののく瞳に「貞」の文字が映り込み……森と井戸の、ざらついた不気味な画像で唐突に終了ーー。

 公開時、映画館につめかけた人々はときに椅子から飛び上がり、悲鳴さえあげ、そしてこう呟きあったという。

「しばらくテレビもビデオも、ひとりじゃあ観られないよねえ〜」

 原作に比べれば古典的な怨念モノのスタイルをとっている映画『リング』。なのにロコミで大きな話題になったのは、観終わっても恐怖感が持続したからだ。

 何ちゅうか「不幸の手紙」が届いてしまった際のあのヤ〜な感じ? 

 もしかしたら自分にも起こるのではという、身に覚えのある恐怖。デッキにビデオを入れる。ガチャという音とともに呑み込まれモニターに映るまでの、まるで呪いが解凍されていくかのような感覚。

 つまりビデオが「不幸の手紙=恐怖の物体」と化したわけだ。

 しかもである。その「呪いのビデオ」のヤ〜な感じを解読していくはずの続編『らせん』がまた、科学的説明とやらをすればするほど謎が深まる。悪循環へと人を誘なう仕掛け。

 こりゃあまるで悪性のウィルスだな。

「ウィルスとは実に奇妙な生物で、自ら増殖する力はなく、その点では生物と非生物の中間にいる存在である。しかし、ウィルスは他の生物の細胞の中に潜り込み、その細胞を利用することによって増殖していく。増殖能力を持たないビデオテープが、1週間以内にダビングしないと命を奪う。と脅して人間を呪縛し、人間の手を借りて増殖していく過程とそっくり同じではないか」(原作「らせん」より)

 読んでしまいましたね。ビデオ=ウィルス。それを伝染させるも壊滅させるもこの「不幸の手紙」のことを知ったあなた次第。さあドーする?

(レビュー:轟夕起夫)

轟

レビューはTV TARO1999年1月号掲載記事の改訂版です

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『リング』『らせん』公開年に巻き起こった事!と『リング2』の経緯

小説の「リング」刊行が1991年、「らせん」刊行が1995年。この2作品が同時に映画化されたのが1998年。

さてこの同年1998年、世界観の延長上に壮大に構築された小説「ループ」が最終章として刊行されました。もちろん映画との相乗効果もあってベストセラー!

 さらに映画公開と並行して、番外編に位置する映画『リング2』の脚本が一般公募され、入選作数編(大賞はなし)を集めたシナリオ本が12月中旬に書店をにぎわしました。

 大賞が出なかったため、映画『リング2』の脚本は仕切り直しとなり、前作と同じ最強コンビ、高橋洋の脚本、中田秀夫の監督で完成、翌1999年に公開されたのでした。

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「貞子」が一人歩きし出して伽倻子と対決!

こちらは『リング』シリーズには括られないものの、れっきとした『リング』のキャラ、貞子の映画! 『呪怨』シリーズのアイコン、伽倻子と対決するスーパープロジェクト映画です。

 この映画のレビューについては、こちらの記事でどうぞ!

館理人
館理人

Netflixで配信されているオリジナルシリーズ『呪怨 呪いの家』が話題ですね。脚本の高橋洋氏は、『リング』の脚本家です! Jホラーの伝播は、『リング』からずっとつながっているのでした!