ハリウッド映画のキーマン、ロジャー・コーマンについてはドキュメンタリー『コーマン帝国』で

館理人
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ロジャー・コーマンは知ってると映画通な感じがしますが、手がけた映画の鑑賞となるとちょっと難しい。

館理人
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なぜなら低予算映画を多く作ってたから。

館理人
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そんなロジャー・コーマンについては、『コーマン帝国』ってドキュメンタリー映画があります。このレビューから彼のことをご紹介です。

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あっぱれのドキュメンタリー

Photo by Noom Peerapong on Unsplash

50本を超える監督作・500本を超えるプロデュース作を発表した「インディペンデント映画の神」、ロジャー・コーマンの素晴らしき人生を描く珠玉のドキュメンタリー

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 よくぞ付けたり、この邦題! 『コーマン帝国』ときたもんだ。

館理人
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『コーマン帝国』(2011年)の監督はアレックス・ステイプルトン。

 何それ?って方にはまず「ロジャー・コーマン」という名前から知ってもらおう。

 1926年ミシガン州デトロイト生まれ。どんな人物かを説明するには、彼の自伝タイトルを紹介するのが手っ取り早い。すなわち「私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか」(早川書房)。

『コーマン帝国』は、かの名著を映像へと移し替えたかのような、よく出来たドキュメンタリー映画だ。

 コーマンは膨大な数の作品に関わってきた未だ現役の監督兼プロデューサーであり、B級(=低予算)映画の帝王にしてインディペンデント映画の巨人でもある。

 製作費は絞りに絞り、創意工夫で勝負するのが持ち味。驚くべき早撮りで、新人でも見込んだら即戦力として登用し(ただし低賃金でこき使い!)、彼の現場はプロへの登竜門となり、実践的な映画学校「コーマンスクール」と呼ばれてきた。

 本作ではその卒業生たちがインタビューに答えて、語る語る。

 ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ピーター・フォンダ、故デヴィッド・キャラダイン、ジョナサン・デミ、ピーター・ボグダノヴィッチ、ジョン・セイルズ、ロン・ハワード……そして盟友ジャック・ニコルソン!

 コーマン本人も登場し、代表作のフッテージを交えながら半生を回想してゆく(やはり因縁深いコッポラとジェームズ・キャメロンは、ノーコメントでしたけれども)。

 その足跡を辿ればイコール、アメリカの大衆史、サブカルチャー史になってしまうわけだが、1950年代はチープなSF映画『原子怪獣と裸女』『金星人地球を征服』などでひと儲け。

 1960年代はエドガー・アラン・ポー原作の諸作でワザを見せ、つねにティーンエイジャーを刺激する企画を考え、ドライブイン・シアターにも力を入れ、興行を成功させてきた。

 時流を掴み、本物の暴走族ヘルズ・エンジェルスを使ったバイカー映画の先駆、『ワイルド・エンジェル』を作り、さらに続けてピーター・フォンダを起用、脚本はニコルソン、デニス・ホッパーも出演した『白昼の幻想』と合わせて、『イージー・ライダー』の登場を予告した。

 1970年代の女囚物(そういえばパム・グリアも卒業生だ!)ほかのエクスプロイテーション・ムービーの数々も素晴らしい。

館理人
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エクスプロイテーション・ムービーとは、時勢、流行にあからさまに乗っかった商業映画のこと。

 が、1980年代以降はだんだんジリ貧に。“過去の人”になりかけていたが、2009年、米映画芸術科学アカデミーより、名誉賞を授かる。

 受賞式を描くところも良かったが、最高なのがこれ。インタビュー中、想い出に感極まり、ニコルソンが泣く(やっぱいい奴だな、と誰もが思うはず)。そこにカットバックされるのは、老いてなお映画に情熱を傾けるコーマンの姿(でも電話の内容は、実にクダラないっ!)。

 初監督のアレックス・ステイプルトン女史、ナイスな“編集つなぎ”だ。ちなみに本作では触れられていないが、コーマンが倹約主義なのは幼少時に、あのアメリカ大恐慌を経験したから、なのだとか。ちょっとグっとくるエピソードである。

轟

ケトル2012年2月号掲載記事を改訂!

館理人
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