是枝裕和監督×韓国映画女優ペ・ドゥナ×ラブドール×心の映画『空気人形』

館理人
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是枝監督といえば、『万引き家族』(2018年)でカンヌ国際映画祭最高賞のパルム・ドールを受賞しました。

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その後公開となった『真実』(2019年)は、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークというビッグスター出演作。

2020年5月にDVD発売されます。

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そんな是枝監督の過去作に『空気人形』があります。

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韓国の女優で日本でも人気を得た(日本のCMにも出ていました)、ぺ・ドゥナが主演です!

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代用品ではない人生を求めた人形に共感するか、はたまたペ・ドゥナの裸に興奮するか

Photo by Jude Beck on Unsplash

原作は業田良家の短編漫画集『ゴーダ哲学堂 空気人形』。

“心”を持ってしまった空気人形の、生きることの喜びと悲しみを描きあげたファンタジー。

ペ・ドゥナが日本映画に出演したのは、山下敦弘監督の『リンダ リンダ リンダ』(2005年)に続いて2度目。

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『リンダ リンダ リンダ』で熱唱される「リンダ リンダ」はもちろん、ブルーハーツの名曲。そして「終わらない歌」も!

オリジナルストーリーにこだわってきた是枝裕和監督が、原作モノを選んだことでも話題に。

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 この映画ってある種、“踏み絵”みたいな使い方ができると思う。というのも、観終えてからの感想によって、その人の現在の「幸福度」がざっくり、測れてしまうのだ。

 さて、どんな物語か? 荒唐無稽なお話である。主人公はラブドール。

 安物の性欲処理人形が突如“心”を授かって、持ち主(板尾創路)に隠れて家を抜け出すという展開。そしてさまざまな人々に出会い、レンタルビデオ店で働く青年(ARATA)に空気人形は恋をしてしまう——。

 空気人形を演じるのは韓国の実力派女優、いや、今や世界が動向を注目しているペ・ドゥナ。

 映画出演は『グエムル/漢江の怪物』(2006年)以来。

館理人
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『グエムル/漢江の怪物』は、アカデミー賞作品賞受賞の『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督作です! こちらも大ヒット映画。

 日本を代表する是枝裕和監督のオファーに応え、ヌードも辞さず、彼女が繊細で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたから、この荒唐無稽な物語は成立したといっても過言ではない。

 例えば、窓の外の雨の滴に手をかざし、「キ・レ・イ」と呟き、初めて空気人形が動きだす場面。まるでモーフィングのように自ら変化していき、とても艶めかしく、ドキっとさせられる。

 はたまた、ビデオ店でビニール製の体に穴が開いてしまい、プシュ〜としぼんでしまった後、青年の息=空気で満たされていくシーン。精気が甦っていくその姿は、エロティックにして崇高だ。

 ビデオ店にシネポエムの傑作『赤い風船』(1956年)のポスターが貼ってあったが、空気人形=ペ・ドゥナも風船のように街を自由に漂う。

館理人
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映画レビュー、ありますよ。

 年を経て、何事にも“初めて”の感動がなくなり、すっかり擦れっからしになってしまった我々は、彼女を通じてもう一度、世界のなかにちりばめられた「キレイ」を体験していくわけである。

 そんなふうに、人形と人間、空気と空虚をめぐる考察も本作には込められているのだが、観たのちに、“誰かの代用品”ではない人生を求めた空気人形にシンパシーを感じてしまったら、あなたは今、「相当お疲れ」で「不幸」だと言えよう。

「ペ・ドゥナの裸、良かったなあ」と無邪気に喜んで終われる人はノーテンキだが、実は幸せだ。ぜひ各自、試してみてほしい。

轟

週刊SPA!2010年3月30日号掲載記事より改訂!

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