ワンピース(イワンコフ)元ネタ映画『ロッキー・ホラー・ショー』とは?カルトな人気魅力を解説&考察!

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館理人
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漫画「ワンピース」の個性豊かな登場キャラたちは、その元ネタを探る楽しさもありますね。イワンコフはこちら、映画『ロッキー・ホラー・ショー』の主人公、フランクン・フルター博士です。そもそもどんな映画か、なぜ大人気カルト映画となったのか、を解説したレビューのご紹介です!

館理人
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そもそも『ロッキー・ホラー・ショー』って? ジャンル的にはミュージカル・ホラー!

館理人
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『ロッキー・ホラー・ショー』は舞台でも大人気! 映画は1975年の公開ですが、今も度々劇場公開されるほどファンが多いです。

動画配信でももちろん鑑賞できます!(例えば

U-NEXT

では見放題タイトルに、

Amazonプライムビデオ

ではレンタル作でラインナップされています(2020年8月現在))

キッチュにしてスキャンダラス。濃厚に漂うグラム感覚。コール&レスポンス、ライブ感溢れるパーティ、それがロッキー・ホラー・ショー!

館理人
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詳細はレビューにてどうぞ!

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映画がライブ感覚を手に入れた!

監督:ジム・シャーマン 出演:ティム・カーリー、スーザン・サランドン、バリー・ボストウィック、リチャード・オブライエン、ほか

突然変異的カルト大傑作

 日本公開当時のポスターのキャッチコピーは次のようであった──。

「笑いと恐怖とSEXが1950年のロッカ・バラードに彩られて爆発する異色ミュージカル大作!」

 謎の惑星からやってきたエイリアンたち、すなわちフランクン・フルターとその部下らの潜む古城に、ある嵐の晩迷いこんでしまった婚約ホヤホヤのカップル(若奥様役は『テルマ&ルイーズ』『依頼人』などの名女優スーザン・サランドン)。

 今夜は「人造人間ロッキー」の誕生を披露する彼らの特別な夜。さあそこに飛び込んだカップルの運命は……?

はじまりは舞台、ロック・ミュージカル

 映画がライブ感覚を手に入れた、突然変異的カルト大傑作『ロッキー・ホラー・ショー』。

 観客が映画の登場人物たちとソックリ同じメイクや衣装を身につけ、様々な小道具を持参し、そしてスクリーンの展開と共にコール&レスポンスを楽しむ一夜かぎりの夢。いまだ世界のどこかで上映され続けている(そしてその乱痴気パーティも繰り広げられている)という、この伝説的作品が作られたのは1975年のことである。

ブロードウェイの最初は大失敗

 しかしそもそもの始まりを語るには、その2年前の1973年へと戻らなければ。原作、作詩、作曲、出演のリチャード・オブライエン。このオーストラリア生まれの英国青年が「SFと怪奇映画と’50sスタイルのロックンロール」にオマージュを捧げたロック・ミュージカルは初演と同時に大ヒットを記録。

 スキャンダラスにしてキッチュなその魅力はたちまちロンドンを席巻し、続いてアメリカのロサンゼルス、NYのブロードウェイ、そして世界の大都市(もちろん日本も)へと広がっていった。

 とはいえNYのブロードウェイでの公演は、当初大失敗に終わったのだとか。しかもその直後に完成した映画も一般公開されない酷い扱いを受けた。

週末オールナイト映画上映が大盛況に

 ところがマンハッタンのとある・・・映画館が週末オールナイトのプログラムとして上映を始めたところ、不思議な形で人気に火がついていったのだ。それがあの「ロッキー・ホラー・マニア」ともいうべき若い観客たちのコール&レスポンス盛りあがり大会。

 結婚式のシーンではスクリーンに米粒投げて祝福し、雨が降りだすやいなや一斉に傘をさしたり新聞紙を頭にかぶったり。

 主人公が古城のランプに引き寄せられてゆくとペンライトやライターの火をつけて誘導。さらにはスクリーン前に集合し記念撮影をしたり…… etc。

 つまり映画の凄まじいカルト的人気が、オリジナルの舞台版の評判をも変えてしまったというわけである。

館理人
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日本でも舞台『ロッキー・ホラー・ショー』は1986年から幾度も公演されていますね!

コスチューム

 それではこの『ロッキー・ホラー・ショー』がいまだに世界中の若者たちを熱狂させている理由とは何であろう。

 一つには登場人物たちの1970年代的ケバケバ・コスチュームも圧倒的な、ユニ・セックス指向のグラム趣味がある(ティム・カリー扮するフランクン・フルターが黒と赤のコルセット、網タイツにハイヒール、白粉化粧に毒々しいルージュをひいて登場する場面を見よ!)。

館理人
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ティム・カリーは、もともと舞台ミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』の方でフランク役に抜擢され、映画版でも同じ役を演じました。

他出演作としては『チャーリーズ・エンジェル』(2000年)など!

ロックンロール・ナンバー

 B級ムービーの題名と俳優の名前をズラリと歌詞に並べた序曲「SF怪奇映画二本立て」を筆頭とする最高にキュートでイカした16曲のロックンロール・ナンバーの存在も忘れてはいけない。

 さらに単なるバカ騒ぎ風のこの映画の根底に流れる「夢を見るのはおやめ。夢そのものになるんだ」という泣かせるメッセージ。

 それがいつの世も若者たちの胸を打っているのだと思う。そして冒頭のキャッチフレーズ。いまでもあの文面は全く色褪せていない──これである!

(轟夕起夫)

轟

TJ1993年号雑誌掲載記事を改訂!