日活ロマンポルノおすすめ復刻コラム『(秘)女郎責め地獄』操り人形の謎

館理人
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こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。

館理人
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その前にロマンポルノ解説を少々。

館理人
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ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。

詳しくはこちらで紹介しています。

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前置き以上!

あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

データ

1973年
監督:田中登
出演:中川梨絵、山科ゆり、あべ聖、薊千露、絵沢萠子 脚本:田中陽造

 爆弾になってしまえば人間も人形も同じなり

(轟夕起夫)

Photo by Brandon Hoogenboom on Unsplash

 人形とは、人間の似姿だ。

館理人
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人の形、って書くくらいですからね。

 黒衣(くろこ)の意のままに操られるのが人形のさだめだが、ときに人間もまた操り人形と同じ境遇になる。

 つまり自分の意志を持っているようでいて、実は背後でうごめく何者かに操られてしまう人間の哀しい運命。客観的に眺めてみればどっちもどっちだろう。

 そんな世界観を卓抜なビジュアルで描いた映画にスパイク・ジョーンズ監督の『マルコヴィッチの穴』があったが、この『(秘)女郎責め地獄』もそれに匹敵する傑作だ。

館理人
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『マルコヴィッチの穴』はキャメロン・ディアスも出てます! ジョン・キューザックとか。

 まず、オープニング・タイトルからして秀逸。石畳。スタッフ、キャストが記されている石畳。ひとりひとりの名を追うキャメラはやがて、舞台となる女郎長屋へと辿りつき、観る者はアッという間に映画という“人形たちの部屋”に導かれてゆく。

 脚本は田中陽造。監督は田中登。もはや多くは述べまい。手だれの人形=人間遣いである。

館理人
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田中陽造さんは、ロマンポルノ以外もたっくさんの傑作を書いた脚本家。『ツィゴイネルワイゼン』『魚影の群れ』だとか『セーラー服と機関銃』『居酒屋ゆうれい』などなどなど!

館理人
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あと、近年は「田中陽造著作集 人外魔境篇」がキネマ旬報の「映画本大賞 2017」ベスト・テン1位に!

館理人
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田中登さんは日活の監督として、日活ロマンポルノの名作を数々手がけました。この映画で第14回日本映画監督協会新人賞奨励賞を受賞されてます。

 ヒロインの女郎、おせん(中川梨絵)は、いろんな意味で操り人形のような存在だ。金で縛られた遊女であること。「彼女を抱いた男は皆、死ぬ」との噂から“死神”のアダ名をつけられていること。さらには、どうしようもないヒモ野郎(高橋明)までしつこく取りついている。

館理人
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高橋明さんは野球選手の方とは別人、同姓同名の俳優さんです。

 そこに新たな傀儡師(かいらいし)が登場する。人形浄瑠璃師の梅吉(堂下繁)だ。コイツが「人形の顔は覚えられるが、人間の顔となると男と女の区別もつかない」という大の人形バカ。盲目の許嫁(山科ゆり)を人形として愛し、そのカラダに一度も触れなかったため他の男と不義密通を働かれ、めぐりめぐっておせんにこう懇願するハメに。

 「お願えだ。人形になっておくんなせえ、私にすっかりカラダをあずけておくんなせえ」

館理人
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人形と人間のラブストーリーに是枝裕和監督作『空気人形』(2009年)てのがありましたね。

 三味線と義太夫節と人形浄瑠璃とが交差する中、黒衣の梅吉に身を任せ、次第に人形となってゆくおせん! 映画史上に刻まれた人形化した女のまばゆいイメージ!

 それは『A.I.』で人間化した人形を描きながらも、愛に飢えた駄々っ児映画しか作れなかったスピルバーグに見せてやりたいほど鮮烈なのだが、ともかく梅吉はおせんのカラダの温もりに包まれ、「初めて血の通った人間になれやした」と礼を言う。

『A.I.』の子供は愛情をプログラミングされたロボットでした。

 そう、女が人形化を通していっそう人間を色づかせるように、男たるものには皆、股間にピノキオの鼻ともいうべき“木偶(でく)”がついている。

んー。ピノキオはディズニーランドにもいるので、股間と並べてほしくなかったですが。

『ピノキオ』は愛情を学んでいく人形の話!

 使い方によってそいつは、魔法の杖にもなれば木偶の坊にもなる。人間と人形の狭間の微妙なニュアンスを愉しむためにぶらさがっている“木偶”。

 意志を持っているようでいて、実は背後でうごめく何者かに糸を引かれているコ奴こそが、一番の操り人形なのであった!

館理人
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ちなみに、人形に悪意だけが入ると『チャイルド・プレイ』(2019年)になります。

月刊ビデオボーイ2001年11月号掲載コラムより!

 

館理人
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田中登監督のロマンポルノは、他にこんなのもありますヨ。

館理人
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