こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
データ
監督:神代辰巳
脚本:神代辰己 鴨田好史 伊藤秀裕 撮影:姫田真佐久
出演:渡辺とく子、風間杜夫、中島葵、花柳幻舟、山科ゆり、高橋明、丹古母鬼馬二、村国守平、団巌、三谷昇、牧れいか、ほか
もしも先にイってしまいそうになったら、こう云えばいいのだ
(轟夕起夫)
王朝コスプレポルノ『壇の浦夜枕合戦記』は、今でいうなら“壇の浦イメクラ遊び”といった趣の映画だ。
時代は巡る。今や「コスプレ」の方が馴染みの言葉。
かの天下分け目の戦で、平家の滅亡によって、源氏の囚われの身となった女官たち。案の定、宴の席で源氏のオスどもにヤリまくられるという「犬も歩けば棒に当たる」お話である。
まァ、自分で書いておいて何が犬で何が棒なのかはよくわからないのだが、イメクラ嬢に十二単を着せるくらい説得力のない絵ズラがしばし楽しめることは間違いない。
公家女房の儀式服です、十二単。
要するにイメクラ的「プレイ」感がバンバンな映画。これを「プレー」と記すと、また随分とニュアンスが違うだろう。俺は「プレイ」派だがキミはどっち派? 意味は同じでも語尾を伸ばすかどうかでそこに含まれている味わいってヤツが、微妙に変わってきちゃうと思うのだが。
「メモリー」が思い出、「メモリ」がPC関連用語、みたいなことですかね。「スタア」と「スター」は古さ新しさだけの違いですかね。
1955年、ジュディ・ガーランド主演の映画は『スタア誕生』、2018年、レディ・ガガ主演のほうは『アリー/スター誕生』。
何でもいい。
です。
手頃な単語のあとに繋げてみよう。例えば“大根”なら(1)大根プレー(2)大根プレイ。
続けるやん。
どうだ。前者(1)からは、大の大人が平凡なゴロを見事なまでにトンネルした草野球の光景なんかが浮かんでこないか? ところが後者(2)はなにか、とてつもなく淫靡で意味深な気配が濃厚だ。確実に根元まで、ブッといのが“入ってる”ってカンジがする。
風間杜夫さんが出演しています。子役時代もある風間さん、日活ロマンポルノの出演作は多く、その後の主演作『蒲田行進曲』が大ヒット。
原作・脚本のつかこうへいさんの舞台では主要キャストとして欠かせない存在でした。
野球用語のダブルプレー、これもダブルプレイとすると、たちどころにくんずほぐれつ男と女のスえた臭いが漂ってくるから不思議ではないか。
風間さん、TVドラマでは「スチュワーデス物語」の教官役で大ブレイク!
あ、長々と力説してしまった。
実をいえばこんなに脱線したにもかかわらず、先の“壇の浦イメクラ遊び”、正直いうとプレイもプレーも言葉的にはジャストフィットしてない気もする。今更そりゃあないぜセニョリータだが、その中間あたりっつうか、あえて表記を試みるならば、「壇の浦ぷれえ」
「そりゃあないぜセニョリータ」は俳優・お笑い芸人、ケーシー高嶺さんのギャグ。歌にもなりました。最後のテレビドラマ出演になったのは、「トリック新作スペシャル3」(2014年)でした。
これである。ちょっとヘナチョコ。それもこれも源頼朝扮する風間杜夫の、翻訳不可能な奥ゆかしい演技のせい。怖れ多くも皇后様にセックス指南を施し、座位で励んでこう一言。
「女陰に、お負けしそうです」
そうして媚薬に手をのばす杜夫! さすが大根ぷれえ、である。言い訳も、誠に奥ゆかしいのだ。
舞台、映画、ドラマ、声優、CM、歌と活躍が幅広い風間さん、近作では『のみとり侍』(2018年)に出演してます。
ビデオボーイ1997年6月号掲載コラムより!
『壇の浦夜枕合戦記』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)
ロマンポルノを鑑賞するための動画配信サービスについては、こちらに検証記事があります!