読む映画リバイバル『スネーク・フライト』

ジャンボジェットを占領した毒ヘビに、サミュエルの「マザファッカ!」が炸裂!

(2009年5月号より)

 邦題は『スネーク・フライト』だが、より分かりやすいタイトルにするなら、「サミュエル・L・ジャクソンvs毒ヘビ(数千匹)」がいい。闘いの舞台となるのはジャンボジェットの機内。なぜにそこに大量のヘビが!? 目撃者を消すため、マフィアが“暗殺団”としてヘビを仕込み、飛行機を落下させようという目論見。実に遠回りな、いや、とてもトンチの効いた作戦に出たのだ。

 やがて機内のトイレでエッチに興じていたバカップルが最初の被害者に。このテの映画の定石通りの展開である。以下、股間にヘビ。乳首にヘビ。薮から棒にヘビヘビヘビ。ひたすら毒ヘビにやられていく乗客たちを観ているうちに、こちら側にもどんどん毒が回ってくる。つまり、“とんまつり”的状況でゲラゲラと笑わせつつ、密室サバイバル、パニック・アクションの王道としても楽しませる、娯楽映画のなりふり構わぬ毒。監督は『セルラー』でケータイを駆使した小気味いいアクションを見せたデイヴィッド・R・エリス。またもやイイ仕事ぶり!

 そして、標的の目撃者を護送中のFBI捜査官役、サミュエル・L・ジャクソン。さすがにこのトンデモない対戦には苦戦する。だが、我慢に我慢を重ねて、ついに“キレ芸”、「マザファッカ!」の雄叫びが炸裂するや、扇動しまくり、存在感を発揮。

 操縦席に侵入した大量のヘビをどうやって除去するか。そこでサミュエルの取った行動がまたトンチが効いている。これは『スネーク・フライト サミュエルとトンチ、時々トンマ』とでも名付けたい快作である。

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ホノルル発ロサンゼルス行き。攻撃性を増すフェロモンを嗅がされ、興奮状態となった毒ヘビたちがジャンボジェット機をジャック! 太平洋上空まっただ中で緊急着陸は不可能……。主演のサミュエルは2年以上も前から自ら出演依頼していたんだとか。この人の作品選びの基準は読めない。

[週刊SPA!掲載]
●監督:デイヴィッド・R・エリス●出演:サミュエル・L・ジャクソン、他●2006年●アメリカ