レビュー『ロボジー』矢口史靖監督コメディ〜ロボットを着せられたトンデモ爺さん!

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Photo by Possessed Photography on Unsplash
館理人
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ミッキー・カーチスさん主演の『ロボジー』(2012年)の映画レビューです! 矢口史靖監督作!

『ロボジー』概要

『ウォーターボーイズ』『サバイバルファミリー』の矢口史靖監督による、頑固な老人とロボットをテーマに描いたコメディ。
 ミッキー・カーチスが新人俳優の五十嵐信次郎として、ロボットの中に入れられる老人を演じる。
 吉高由里子、濱田岳などの若手実力派が共演。

2012年
監督・脚本:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、田畑智子、和久井映見、ほか

館理人
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主演者「五十嵐信次郎」ってのはミッキー・カーチスさんの別名です!

館理人
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ミッキー・カーチスさんは同じ矢口監督の『サバイバルファミリー』にも出演してますが、そちらでは「ミッキー・カーチス」でクレジットです!

館理人
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ミッキー・カーチスさんといえば、映画では『独立愚連隊』『ジャズ大名』『スワロウテイル』『お墓がない!』『死に花』などに出演しています。

館理人
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ミッキ・カーチスさんは近作では大林宣彦監督作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年)に出演です。

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絶妙のバランスで展開する “悲劇と喜劇の紙一重”

(轟夕起夫)

 かのチャップリンに「人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇」という格言がある。すなわち、こういうことだ。喜劇と悲劇は紙一重。

 それはまた、古今東西、面白い映画を支えているベーシックな構造でもあるのだが、矢口史靖監督の『ロボジー』もその配合、バランスに長けたコメディといえるだろう。

 まずは大変な事が起こる。家電メーカーの窓際ダメ社員(濱田岳、川合正悟、川島潤哉)が社長命令を受け、二足歩行ロボットを開発するも失敗し、しかもロボット博の1週間前に機体自体が大破!

館理人
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ちなみに濱田岳さんの新作は『おらおらひとりでいぐも』! 主演:田中裕子、監督:白石和彌。2020年11月公開作品です。

館理人
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川合正悟さんとは、お笑いコンビ Wエンジンのチャンカワイさんですヨ。

 そこで一計を案じ、73歳の爺さんを中に入れて出場、作戦は成功するが、実はトンデモないジジイで、以後、悲劇と喜劇の紙一重状態が繰り返される。

 ミッキー・カーチスが芸名”五十嵐信次郎”として挑んだこの役は、好々爺ではなく完全にトラブルメーカー。でも家庭内では疎外感を味わっており、つまりロングショットで見れば風変わりなロボット映画だが、中味をクローズアップすると切なさが滲み、そこが本作を際立たせている部分なのだ。

 ロボオタの女子大生役、吉高由里子のブッ飛びキャラの使い方もワザありで、終盤からラスト、オチまで畳みかけてゆく小気味よさは、矢口映画の真骨頂!

轟

T 2011年冬号掲載記事を改訂!