『PK ピーケイ』ラストまで意外が連続。大胆なジャンルの横断!大ヒットインド映画

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Photo by Balaji Malliswamy on Unsplash
館理人
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インド映画のご紹介!レビューをどうぞ。

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宇宙人とヒロインの狂騒ムービー

【概要】

全世界の興行収入が100億円を突破した大ヒット映画。“PK”と呼ばれる宇宙人の視点から、インドの宗教事情を時にコミカル、時にシニカルに描いてゆく。大胆なジャンルの横断が特徴で、SFコメディにして、胸焦がす切ないラブストーリー。宗教の意味を問い、差別や偏見といった問題に果敢に斬り込むヒューマンドラマでもある。

2014年 インド 2時間33分 監督:ラージクマール・ヒラニ 主演:アーミル・カーン

【レビュー】

 公開からずいぶん時間が経っているし、ネタを割っても作品の価値を何ら落とすものではないので明かしちゃおう。紹介する『PK ピーケイ』というインド映画の主人公は、宇宙人なのである! が、冒頭、調査のために宇宙船で地球(のインド)にやって来て早々、通信機能を持った大事なペンダントを盗まれてしまうのであった。

 つまり、孤立無援な宇宙人のサバイブ劇なわけだが、インドから一旦、場面はベルギーに飛んでヒロインの“恋バナ”が始まり、歌って、はしゃいでそれはあれよあれよと、悲恋に終わる。

 で、三幕目は先の宇宙人とこのヒロインが出会って、いよいよ本題に入っていくかと思いきや、そうは簡単には行かず、宇宙人の回想シーンへと突入してゆく。

 この意外性に満ちた構成が面白い。監督ラージクマール・ヒラニと主演アーミル・カーンは、日本でもロングランヒットを記録した『きっと、うまくいく』のコンビ。

館理人
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『きっと、うまくいく』は本国インドで公開時、インド映画歴代興行収入1位となるほどの大ヒット。インドの工科大学の寮を舞台にした青春コメディ。

 アーミル・カーンと言えばインドのスーパースターで、『きっと、うまくいく』では当時、44歳にして初々しい大学生役を好演してみせた。本作の迷える宇宙人役でも劇中、一切まばたきをせず、風変わりなキャラクターに成り切っている。

 では、どう“風変わり”なのか?

 再び登場するや、派手派手しく黄色いヘルメットをかぶり、肩からラジカセを下げ、数珠やお守りなど多種多様な宗教の飾りを身につけて「神さまが行方不明」と書かれたチラシを配って歩いているのだ。

 なぜそうなったのか、さらにはPK(ヒンディー語で“酔っ払い”の意味)と呼ばれている理由も回想シーンでわかる仕掛けになっており、ラストまで意外性に富んだ構成で走りきる!

 ベルギー留学から戻ってきてTVレポーターになったヒロインを巻き込んでの狂騒ムービーだが、とっちらかったストーリーテリングのようで、実は巧みに伏線を回収していく話法が素晴らしい作品なのであった。

(轟夕起夫)

轟

週刊SPA!2017年5月2・7日合併号掲載記事を改訂!