やりなおせる学校、夜間中学の資料にも!山田洋次監督『学校』シリーズ

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Photo by Nikhita S on Unsplash
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夜間中学をご存知でしょうか。定時制高校とは違います、公立中学校です。

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中学を卒業していない人も、不登校のまま中学卒業証書をもらった人も、中学の学びをやりなおすことが可能です。

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2017年7月時点の文部科学省の統計では、全国の夜間中学で学ぶ1,687人を年齢別でみると、60歳以上が27.0%、15~19歳が20.3%。幅広いです。

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この夜間中学を舞台にした映画が、『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋次監督の『学校』。

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タイトルが『学校』なので、このシリーズの特徴がわかりづらいのですが、いわゆる学園モノではなく、人生ドラマ寄り。

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ドラマ自体楽しめますけど、夜間中学ってどんな感じか知りたい人にも参考になる映画です。

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学校を変えて2作目以降も作られ、シリーズで4作できました。ヒット映画です!

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では、もう少し詳しい概要を、轟のレビューでご紹介です!

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見どころいろいろ、安室奈美恵、浜崎あゆみも登場!

 山田洋次監督の『学校』シリーズは、タイトルこそシンプルだが、中身のほうはとても滋味深い。

 何しろ「寅さん」と長年並走してきた山田監督である。さまざまな教育現場に目を向けつつ当シリーズは、教室を飛び出し、いたるところに転がっている人生の“課外授業”を毎回映しだしてみせてきた。

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「寅さん」こと『男はつらいよ』は、シリーズ開始50周年を迎えて50作品目が2019年12月に公開されました! シリーズ本数はとっくにギネス記録です。

 1993年に発表された『学校』は、東京下町の夜間中学をステージとした、教師(西田敏行、竹下景子)と生徒たちとの物語。これは『男はつらいよ』を連作しながら、山田監督が企画を温め、15年の月日を待って結実させた映画であった。

 萩原聖人、裕木奈江、中江有里、神戸浩らが演じた、働く学生たちのそれぞれのエピソード。さらには夜間中学に通うまで読み書きができなかった初老男(田中邦衛)の人生の機微をフィーチャーし、「幸福とは何か」という大テーマにも肉薄。まさに渾身の1作となった(渥美清も特別出演!)。

 続く1995年の『学校II』では、北海道の高等養護学校に舞台を移し、知的障害をもつ9人の生徒と先生(西田敏行、永瀬正敏、いしだあゆみ)との心の触れあいを描いた。

 ここで“課外授業”に繰り出すのは、生徒役の吉岡秀隆と神戸浩。彼らは無断外出し、「安室奈美恵withスーパーモンキーズ(現MAX)」のライブへと向かう。公開時にはあまりにタイムリー過ぎたこの設定も、今となってはイイ感じ。

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安室奈美恵withスーパーモンキーズの「TRY ME 〜私を信じて〜」の頃ですね。

引退時にリリースされた安室奈美恵のオールタイムベストアルバム「Finally」にも収録されてます。

 ちなみに西田敏行の娘役に扮していたのは何と浜崎あゆみ。劇中、「ミュージシャンになりたい」という台詞を用意されているのが驚きである。彼女が歌手デビューしたのは、1998年のことなのだ。

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浜崎あゆみのデビュー曲は「poker face」でした。

 生徒役の中には『がんばっていきまっしょい』『バレット・バレエ』の気鋭の女優・真野きりなの顔も……恐るべし目利き、山田洋次!

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女子高生がボート部をがんばる話『がんばっていきまっしょい』(1998年)は、田中麗奈映画デビュー作。テレビドラマも作られました。

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『バレット・バレエ』(2000年)は塚本晋也作品、バイオレンス!

 そして、1998年の『学校III』である。

 山田監督はNHKのドキュメンタリー番組で職業訓練校の存在を知り、中高年者の再生のドラマを世に問うことになる。

 夫を過労死で亡くし、障害を持つ息子(黒田勇樹)を女手ひとつで育てているヒロイン(大竹しのぶ)と、リストラされた大手証券会社の元部長(小林稔侍)の再出発のためのレッスン。職業訓練校という設定自体が人生の“課外授業”といえるだろう。

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『15才 学校IV』は出演に金井勇太、麻実れい、赤井英和、他

 ところで最新作『15才 学校IV』は、旅の映画であり、コレまさに全編“課外授業”の構成となったわけだが、ここで「キネマ旬報」を繙いてみると、当シリーズの魅力を解くこんな証言があった。

 すなわち『息子』(1991年)に引き続き『学校II』に出演した永瀬正敏は、「山田監督という校長先生のもとで自分も3年間、学校で生活してきたような感じになりましてね」と語っており、『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』(1977年)以来21年ぶりの大竹しのぶも『学校III』撮影中には、「毎日学校に通っているみたいです」との感想を残していた。

 つまりは、山田洋次“映画”学校!

 なるほど、そうやって生みだされた作品が観客に届くとき、映画が、さらには映画館が、“学校”そのものとなっているわけである。

轟

月刊スカイパーフェクTV!2000年11月号掲載記事を改訂!

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『学校』シリーズは、Amazonプライムビデオ、U-NEXTなどの動画配信サービスで取り扱いがあります。(2020年2月現在)