数々のB級モンスター映画で知られるバート・I・ゴードン監督の、マッドでボンバーな爆弾魔映画『マッドボンバー』

館理人
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『マッドボンバー』は1973年の映画です。2018年にアメリカの劇場公開時のR指定版でDVD化されました。

監督はバート・I・ゴードン。監督作に、『巨人獣 ~プルトニウム人間の逆襲~』や…

『巨大生物の島』や…

『人間人形の逆襲』…などなど。

気になる!B級なSFやホラーをあれこれ撮ってます。

館理人
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『マッドボンバー』のレビューをどうぞ!

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イカれているようで根はすこぶる常識人。悲しき爆弾魔に思わず感情移入!?

Photo by Joel Filipe on Unsplash

実在の爆弾魔ジョージ・メテスキーをモデルにしたカルトムービー。

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ジョージ・メテスキーは、1940〜50年代にかけて少なくとも33箇所に爆弾を仕掛け、このうち22発が爆発、15人が負傷する事件を起こし、自身が新聞社に送った手紙から足がつき逮捕に至った爆弾魔。マッドボンバーの名で呼ばれました。

刑事役は『ベン・ケーシー』のヴィンセント・エドワーズ、レイプ魔役は『悪魔の沼』のネヴィル・ブランドで、それぞれグッドジョブ。

館理人
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『ベン・ケーシー』はアメリカのテレビドラマ。ヴィンセント・エドワーズ扮する脳神経外科の青年医師がさまざまな経験を通して成長していきます。

日本では1962年から64年に吹き替えでテレビ放送され、人気を博しました。

キャスト料に金を注いだため、監督のバート・I・ゴードンは撮影も兼任している。

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 凶悪な犯罪者であるにもかかわらず、その行動に自分のなかの“常識”を揺さぶられたり、思わず感情移入してしまう体験。

 それはひときわアナーキーな作品が多かった1970年代の映画にありがちなことなのだが、2018年に初ブルーレイ化された『マッドボンバー』もまた、そんな一本に数えられよう。

 主人公は連続爆弾魔だ。

 ロサンゼルスの街に出没し、学校や病院などで無差別テロをやってのける。

 なぜか社会に対して逆恨みをしており、完全にアウトな唾棄すべき奴。

 と、そこにもうひとり、ヤバ過ぎる男が登場する。連続レイプ魔だ。

 コイツは犯行前、病院の地下室に隠れていたとき、同じく犯行前の爆弾魔の姿を偶然目撃してしまう。

 さて彼らを結びつけるのは、この2つの事件を追っている刑事。爆弾魔を捕まえるために、まず唯一の目撃者であるレイプ魔をしょっ引いて、モンタージュ写真を作成するのだ。

 頭がいいのか悪いのかよくわからない方法だが、映画的には素晴らしいアイデアである。

 これで“三つ巴”の関係ができ、運命の糸が繋がって後半、意外な展開が待っている。

 人物造形もワザありで、刑事は次々と強引な捜査に走り、同僚から「デカじゃなければ犯罪者ですね」と言われるほど。

 プライベートでは奥さんに逃げられた身で、一方、レイプ魔は妻子を持ち、プール付きの家に住んでいる。

 しかも愛妻家なのか、自宅の離れのオナニー部屋は、妻を被写体にしたヌード写真と8ミリフィルムでいっぱい!

 で、主人公の爆弾魔はといえば、イカれているようで根はすこぶる常識人で、しかしあることから精神が歪んでしまったらしい。

 特異なルックス、背丈が2メートル近い巨漢の名優チャック・コナーズが、この“悲しき爆弾魔”を好演。

館理人
館理人

チャック・コナーズは野球とバスケットボールでプロ選手としてプレーしたのち、転身した俳優です。

深作欣二監督作『復活の日』にも出ています!

『復活の日』はバイオテクノロジーでの人類が滅亡危機に陥るSF。

 人間や生物を巨大化させた数々のB級モンスター映画で知られるバート・I・ゴードン監督の、“常識”に爆弾仕掛けたマッドでボンバーな一世一代の作品だ。

轟

週刊SPA!2018年5月15日発売号掲載記事を改訂!