ラブラドールが変身してサッカー選手に!バカバカしさがたまらない『ディディエ』

館理人
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こちら、面白いコメディ映画なんですが、動画配信サイトでは探すのが難しいかも。

館理人
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DVDレンタルサービスで見つけられたらラッキーな作品ということで、ご紹介!

館理人
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何せ、サッカー好きのフランス人が、ボールを必死に追いかける犬がサッカー選手がだったら!ってバカバカしいアイディアをまんま映画にしちゃった作品。

館理人
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W杯フランス大会の頃の映画となります。

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ミックスしたのは、すべてフランス人の大好物。サッカー、犬、シャバ!

Photo by Fermin Rodriguez on Unsplash

 タイトルの“ディディエ”とは、ペットのラブラドール犬に付けられた名前である。

 だがそれは、途中から人間の呼び名になる。なぜか? その犬が突如、人間の姿に変わってしまうからだ。

 不条理? そう、まさしくカフカの『変身』のごとく。そんないきなりの展開に、観客はビックリ&ニヤニヤ。一方、(友人の)その犬を預かっていた主人公(ジャン=ピエール・パクリ)はビックリ&オロオロ。謎が謎を呼ぶまま、ストーリーは進んでゆく――。

 4年に1度のビッグ・イベント、サッカーワールドカップのフランス大会開催のタイミングで、何とも荒唐無稽なコメディが登場した。

 プロサッカーチームのマネージャーである主人公は、主力選手のケガで大ピンチのチームを救うため、人間に生まれ変わった犬をサッカー選手に仕立てあげ、フィールドで活躍させようとするのだ!

 脚本・主演、そしてこれで監督デビューを果たしたのはアラン・シャバ。

 全編、犬人間ディディエを怪演してみせている彼は、フランスでは知らぬ者などいない有名人である。

 シャンタル・ロビー、ドミニク・ファルジアと結成した人気コメディトリオ「レ・ニュル」のメンバーのひとりとしてまずTVでブレイクし、その3人が脚本を書いて競演した「カンヌ映画祭殺人事件」(1994年)も本国で大ヒット。サイトギャグにこだわるその姿勢は今回の作品にも踏襲されている。

 それにしても〈3〉という数はシャバにとって基数なのかもしれない。『カンヌ映画祭殺人事件』では捜査をいたずらに撹乱させるボケボケのボディガードを演じ、コンビ2人とのカラミでトリオを形成していたが、『彼女の彼は、彼女』(1995年)では妻がレズの女性に恋をしてしまい、家庭に“夫”が2人できて、シャバはやはり三角関係に巻き込まれていた。

 この『ディディエ』では主人公とその恋人(イザベル・ジェリナス)との間に計らずも割って入ってしまい、またもトライアングルの構図の中でジタバタドタバタともがいている。

 考えてみればサッカーにおいても“トライアングル”というのは基本にして重要な概念。パスをつなぐために、つねに選手たちは三角形の軌跡(フォーメーション)を描こうとするのである。

 が、ディディエのやるサッカーはそんな高等なものではない。なぜって、所詮犬(人間)がボールと戯れているだけの話なのだから。

 それでも対戦相手は実に豪華である。強豪パリ・サン=ジェルマン。欧州でも人気実力ともに抜きん出たチームだ。

 さすがに映画に登場するのは32人の若手選手たちだが、舞台となるパルク・デ・プランスはパリ・サン=ジェルマンのホーム・スタジアムであり、もちろんワールドカップ・フランス大会でも使用の会場。

 パリはサッカーの街であるが、また犬の街でもある。よくしつけられたペット犬が多く、犬専用の公衆便所なんてえモノも備えられているほど。

 タクシーでも助手席に愛犬を乗せて営業したりしているそうだ(護身用の意味合いも)。従って『ディディエ』はサッカー犬、そしてシャバと、フランス人の好きなもの3つを組み合わせた映画だといえよう。

 ただし、シャバ自身はサッカーファンではないと明言している。だからか、「ファンタスティックな感動」という観点からいえば、フランス代表ジヌディン・ジダン選手の華麗なプレーのほうが本作よりも上かも。

 ぜひ、ワールドカップでの彼のプレーと見比べることをオススメする。

館理人
館理人

監督・脚本・出演がアラン・シャバ、出演はほかにジャン=ピエール・パクリなど! 1997年の作品です。

轟

キネマ旬報1998年5月上旬号掲載掲載記事より