こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
データ
1977年
監督:田中登 原作:清水一行
出演:永島暎子、宮井えりな、樹木希林、絵沢萠子、境美紀子、森みどり、橘田良江、あきじゅん、蟹江敬三、古尾屋康雅、久米明、穂積隆信
ロマンポルノ版昼ドラ『真珠夫人』!
(轟夕起夫)
ドロドロドロドロの、怒濤の展開! これは、ロマンポルノ版『真珠夫人』である。なぜなら脚本を手がけているのが、同じ中島丈博だからだ!!
まず、中学校の音楽教師(永島暎子)が放課後にレイプされてしまう。相手は5、6人。どうやら首謀者は、不良生徒の江川(古尾屋康雅)らしい。事なかれ主義の校長(久米明)は事件を穏便に済まそうとし、教頭(穂積隆信)はオロオロするばかり。
警察を導入すべきと主張する正義派の教師(山田吾一)もいるが、「あの先生、バージンじゃなかったみたいですよ」と、トンチンカンなことを言い出す教師(砂塚秀夫)もいる。この男、江川の担任で、実はレイプ現場を目撃していながら止めず、しかも江川の母親(絵沢萌子)からカネやらカラダをいただいている悪いヤツ。
女教師は、教育組合の同僚(樹木希林、蟹江敬三)にネチネチといびられ、何者かに「レイプではなく誘惑した」とのデマを流され、自殺未遂を起こす。
一方、何者かが江川を誘拐し、身代金を要求、映画はさらに先の読めない、ドロドロ指数を増していく。
ほとんど主役とおぼしき不良学生「江川」を演じていた古尾谷康雅とは、先日惜しくも亡くなられた古尾谷雅人サンの本名。『女教師』は彼の映画デビュー作である。ワイルドでイイ芝居、見せてますぜ。
女教師の弟に扮したのは、福田勝洋。泉谷しげるの名曲「春夏秋冬」をバックに、江川=古尾谷サンと出会うのだが、本作のあと、二人はもう一度顔を合わす。1980年、『3年B組金八先生パート2』の中で。
古尾谷サンはあの「俺は腐ったミカンじゃねえ」の加藤優(直江喜一)の先輩、暴走族・魑魅怒呂(ちみどろ)がたむろしてたスナックZのマスター役。で、福田勝洋は桜中学の体育教師役だったのだ!
それにしても古尾谷サンは1957年生まれ。ってことは『女教師』のときは20才……で中学生。オミソレしました。
ビデオボーイ2003年7月号掲載記事を改訂!
主演の永島暎子さんは映画『竜二』にも出演しています。インタビュー記事がありますので、よろしければこちらもどうぞ!
田中登監督についてはこちらの記事で触れています。
『女教師』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)
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