こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
データ
監督:池田敏春
脚本:石井隆
出演:天地真理、ジョニー大倉、風祭ゆき、高橋長英、魁三太郎、斎藤洋介、伊藤幸子、鶴田忍、村尾幸三、飯島大介、鰐渕晴子(友情出演)、青木義朗(特別出演)
衝撃の真里ちゃん!
(轟夕起夫)
天と地の真理とはまた、すごいネーミングです。
主演の天地真理さんのことですね。
「女はどこまでいってもミステリィ」って、いきなり、ナニ書き出してんダヨとお思いでしょうが、ある雑誌で、「おしゃれ有名人が選ぶ今年のCD&レコード」なんて企画をやっていたんですね。
このコラムが書かれたのは2003年。まだレコードが普通にあった時代なんです。レコード…または「ヴァイナル」。今、また人気ですよね。
で、そこでサトエリこと、佐藤江梨子もマイベスト10を発表していたんですよ。ンで、何と彼女の第6位にチャートインしたのは、前衛ジャズの極致ともいえる「阿部薫」のセッション盤!
29歳でこの世を去った阿部薫さん。フリージャズのアルトサックスプレーヤーです。
これにはかつて、天地真理が、にっかつエロス大作『魔性の香り』に主演したときぐらいの衝撃を感じてしまいましたわ!
「衝撃」だけで強引に繋げてますね、もちろんサトエリ関連事項は本作に関係なしです一応。
天地真理といえば、 白雪姫の愛称で「水色の恋」「ひとりじゃないの」「恋する夏の日」などのヒット曲を飛ばした1970年代のスーパーアイドル。
その人気がどれだけスゴかったか、当時のTV番組名を並べてみればわかるだろう。「真理ちゃんとデート」「となりの真理ちゃん」「とびだせ真理ちゃん」「アタック真理ちゃん」「はばたけ真理ちゃん」……って、もうウルサイわい!
それはもう、すっごいアイドルでしたので「真理ちゃん」てだけでビジネスが成立してました、実際。
ディズニーのプリンセスのグッズみたいに、真里ちゃんグッズが文具から子供用自転車なんかに至るまで、あれこれ売れまくっていました!
そう考えるとこれ、ディズニーのプリンセスがロマンポルノに主演したくらいの破壊力があったわけです、たぶん。
『魔性の香り』は、1985年の正月映画で、監督は池田敏春、脚本は石井隆という、あの日活ロマンポルノの傑作『天使のはらわた 赤い陰画』(1981年)の名コンビ作。
石井隆さんの『天使のはらわた』シリーズ、こちらにも記事があります。
彼女の役は入水自殺を試みたところ、男(ジョニー大倉)に救われ、その家に棲みついてしまうヒロイン。やがて謎めいた過去が明らかに。
「夫の異常な嫉妬に疲れ果てて身投げしたの」
だがこの逸品が、素晴らしい映像テクとともに醸し出してゆく答えは、一言で記せばこれだ。
「女はどこまでいってもミステリィ」
さてのちに、天地真理本人は離婚したり、24キロのダイエットに成功したり、45歳で『東京モガ』というヘアヌード写真集を出したりと、ほとんど“迷宮入り”してしまうのですが、デビュー時に取材したとき、現在の攻めの姿勢は予想だに出来なかったサトエリもまた「女はどこまでいってもミステリィ」を体現しており、共に「幸多かれ!」とひとり祈って、筆を置くとしよう。
最後までサトエリとの関係性が見えずの謎コラムでした…
ビデオボーイ2003年2月号掲載記事を改訂!
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