

こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。

その前にロマンポルノ解説を少々。

ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。

前置き以上!

あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

あ、この回のコラム原稿は謎の独り語り調でしたので、語り手風助っ人に登場いただきます。

ども!助っ人です。
データ
1978年
監督:小原宏裕
脚本:金子成人
音楽:長戸大幸 原作:橋本治
撮影:森勝
出演:竹田かほり、亜湖、一谷伸江、佐々木梨里、岡本洋子、大竹智子、森川麻美、野上裕二、遠山牛、桑崎晃男、信太旦久、島村謙次、五條博、清水国雄、海ゆみ子、池上ゆかり、日野繭子、橘田良江、小林徹也、鈴木祥二、浜山喜信
人気青春大河小説シリーズの映画化!
(轟夕起夫)

♪ピンク、ピンク、ピンクヒップガ〜ル♪

はい?

歌ってみた。『桃尻娘 ピンクヒップガール 』主題歌。

作曲は長戸大幸。あの音楽制作会社ビーイングの創始者で有名な。もう一曲、『しあわせごっこ』てえのも劇中挿入されているんだ。どちらも唄うはピンク・ヒップ・ガール!

ピンク・ヒップ・ガールって誰ですか?

原作は、言わずと知れた橋本治大先生の作家デビュー作「桃尻娘」。

本が出た年、即座に日活が映画にしたのが『桃尻娘』で、こっちも人気シリーズ化!! 1979年の『桃尻娘 ラブアタック』と、1980年の『桃尻娘 ブロポーズ大作戦』ね。

ピンク・ヒップ・ガールが謎のままですが。


そのふたりがピンク・ヒップ・ガールなんでしょうか?

映画の中身もね。カラダはオトナでも、ココロはコドモのまま、どこまでも走り続けたい……いまの女子高生が観ても共感するはずだよ。とにかく、内田裕也と片桐夕子の夫婦の醸しだす世界が強烈で、こっちはオトナになりたくなくなること必至!

内田裕也さんのロマンポルノ作はこちらの記事でも紹介しています。
こんな記事もあります!

原作者の橋本治も出演してるよ! 「五木寛之がロシアン・ティーを飲みにくる」という設定の、金沢の喫茶店の店員役!

ところでさ、テレビなんだけど中原俊監督のバージョンがあったの、知ってる?

フジテレビの月曜ドラマストリートで放映されたやつ。1986年で『桃尻娘』と『帰ってきた桃尻娘』の2回分。

中原俊監督はロマンポルノ映画でこんなのも撮ってます。

何気なくアイドルバラエティ番組「夕やけニャンニャン」を観てたら放映日に、出演者全員が番宣態勢で「桃尻娘」って連呼してたよ。

ヒロインが相築彰子。伊原剛志と結婚&離婚しちゃったんだよな〜。

結婚相手に詳しいですね。

あと、金子美香や黒沢ひろみも出てたっけ。男優では米山善吉! こっちも傑作でした。

このテレビ版のほうの企画は、若き亀山千広が手がけたものなんだよ。あの「踊る大捜査線」の亀山プロデューサーね。のちのフジテレビジョン代表取締役社長、現在はBSフジ代表取締役社長の。「帰ってきた桃尻娘」のほうに亀山さん、チラっと出てるよ。

あ、あとコレはどうでもいいことだけど『鮫肌男と桃尻女』って、「桃尻娘」に引っ張られて間違える人多いよね。『鮫肌男と桃尻娘』って。正解は「女」だから。

映画化もされた望月峯太郎の漫画ですね。

そんな風に間違われちゃ、望月峯太郎も、映画化した石井克人監督も可哀相だけど、それだけ桃尻娘って言葉が自然と刷り込まれてるんだろうね。恐るべし「桃尻娘」。

♪ピンク、ピンク、ピンクヒップガ〜ル♪

…すっかり刷り込まれてしまいました…

ビデオボーイ2001年8月号掲載記事を改訂!


『桃尻娘 ピンクヒップガール』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)

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