草彅剛主演2006年版デザスタームービー『日本沈没』は都庁も六本木ヒルズも大崩壊!

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Photo by Jezael Melgoza on Unsplash
館理人
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『日本沈没2020』が動画配信サービスのNetflixオリジナルアニメとして、7月9日より世界配信されます!

 そこで、映画版をふりかえり!

館理人
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『日本沈没』の原作は小松左京のSF小説。1973年に刊行され大ベストセラーとなりました。

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映画化はこれまで2回。1973年版と、2006年版があります。タイトルはいずれも『日本沈没』。

小説刊行同年の1973年版の監督は、森谷司郎、出演は小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘、、いしだあゆみ、中丸忠雄、夏八木勲ほか。悪夢のような大惨事パニック映画。こちらも大ヒットとなりました。(映画撮影と並行してテレビドラマの撮影もされ、翌年に放送されています)

ちなみに、小林桂樹、丹波哲郎、夏八木勲、各氏については、以下の紹介記事があります。参考まで!

館理人
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2回目の映画化は、33年後の2006年。樋口真嗣監督、出演は草彅剛、柴咲コウ、及川光博、豊川悦司ほか。こちらの映画については、レビューにてご紹介!

2006年版『日本沈没』データ

(2006年)
監督:樋口真嗣
出演:草彅剛、柴咲コウ、及川光秀、豊川悦司、福田麻由子、吉田日出子、遠藤健一、大地真央、石坂浩二、ほか

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アニメ版の前にチェックしておきたい実写版。1973年版と見比べるのも!

(轟夕起夫)

 橋本忍(脚本)×森谷司郎(監督)の1973年版を公開時に観たときは10才だった。

 完全に一種のイベントとして体験していたわけで、あの頃のワクワク感と2006年版を比較するのはフェアではないだろう。ただし当時はガキゆえに令嬢・阿部玲子扮するいしだあゆみにリビドーを刺激されることなど全くなかった……。さて今回はどうか。

 加藤正人(脚本)×樋口真嗣(監督)の2006年版の阿部玲子役は柴咲コウ。中立性は皆無。好みとしてはこっちだ。で、観比べてみるとやはり、いろいろと面白いのは確か。職業はハイパーレスキュー隊員で彼女は人命を救おうと奔走する。

 血筋だな。だって、祖父を演じているのは丹波哲郎なのだから(なんと写真出演)。

「10万人が不可能だったら1万人だっていい。1万人がダメだったらば1000人でもいい。1000人がダメだったら100人でもいい、いや1人だっていい!」

「爬虫類の血は冷たかったが、人間の血はあったかい……これを信じる以外にわたしにはもう何もありません」

 まさか1973年版の丹波哲郎、いや、声の大きなヒゲ総理のあの名リリックを、映画のテーマのド真ん中に持ってくるとは。

 この「ひとりでも多くの人命を救いたい」というメッセージの後継者が今回のヒロインである。樋口監督は当然1973年版をリスペクトしつつ、オリジナルストーリーを導入している。

 とりわけ、アメリカの対日本政策のシミュレーションと内閣官房長官(國村隼)の迷走は2006年版の成果だ。

 では問題は? 海洋プレートに掘削船で無数の穴を掘り、強力な“N2爆薬”(新世紀エヴァンゲリオンの”N2兵器”か……)を仕掛ける云々は、東宝特撮映画的には『妖星ゴラス』以来の伝統だから、まあ良しとして、その前に潜水艇パイロット・小野寺(草彅剛)が選択するヒロインをめぐる重大な決断は、観ている人が全員、ツッコミを入れること必至の展開!

 むろん、野暮を承知で書いているのだが、日本の沈没以前に、いしだあゆみ以上の柴咲コウ好きにとっては、そこもとても大切な問題なのであった。

轟

映画秘宝2006年8月号掲載記事を改訂!

館理人
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樋口真嗣監督が特技監督を担当した平成ガメラシリーズのレビューはこちらにあります。