ブッシュの軍歴詐称疑惑。21世紀最大のメディア不祥事とも言われる事件を実名で描く『ニュースの真相』

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館理人
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いわゆる「ブッシュの軍歴詐称疑惑」を描いた映画です。

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『ニュースの真相』(2015年)は出演ケイト・ブランシェット、ロバート・レッドフォード、ほか。監督はジェームズ・ヴァンダービルト。

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レビューをどうぞ!

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ベトナム戦争中に大物政治家だった父の力を借りて兵役を怠ったという“軍歴詐称疑惑”…

Photo by Joanna Kosinska on Unsplash

与党の罠か、野党のトラップミスか? それとも自業自得か? ブッシュ政権に批判的であったリベラル派ジャーナリスト2人の事件の顛末を綴った実録映画。

『ゾディアック』『ホワイトハウス・ダウン』の製作・脚本家ジェームズ・ヴァンダービルトの初監督作。

館理人
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実際に起きた連続殺人事件を描く『ゾディアック』は、出演ジェイク・ジレンホール、マーク・ラファロ、ほか。

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突然占拠されたホワイトハウス。たまたまホワイトハウス観光ツアーに参加していた男が大統領を救出します。出演はチャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、他

なお、今もブッシュの軍歴詐称疑惑は未解明のままである。

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 2016年、本国アメリカで出版されてから11年も経って1冊の手記が翻訳され、書店へと並んだ。日本でのタイトルは『大統領の疑惑』。副題には「米大統領選を揺るがせたメディア界一大スキャンダルの真実」とある。

 書いたのは3大放送局のひとつ、CBSの子会社CBSニュースの“元”敏腕プロデューサー、メアリー・メイプスで、本の映画化『ニュースの真相』の日本公開のタイミングで日の目を見たのだ。

 もうご存知の方も多いだろうけれども、疑惑の主とは2004年、当時再選を目指していたブッシュ大統領を指す。

 まだ20代前半の若き頃、すなわちベトナム戦争中に大物政治家だった父の力を借りて兵役を怠ったという、“軍歴詐称疑惑”が持ち上がったのである。

 決定的証拠を入手し、報道番組「60ミニッツⅡ」で一大スクープが報じたのがメアリー・メイプスとそのチーム。

 だがしかし! 決定的証拠に「偽造」の疑いが生じてしまい、副題にあったように一大スキャンダルに塗れてゆく。

 大変硬派な映画で、見どころはこの「21世紀最大のメディア不祥事」とも言われる事件の一部始終を、実名で描き出しているところ。

 メアリー・メイプスを演じたのは、現在世界最高峰に立つ女優ケイト・ブランシェット。

 そして、伝説的なジャーナリストにして「60ミニッツⅡ」の名物アンカーマン、ダン・ラザーには映画界のレジェンド、ロバート・レッドフォードが。

 これは、時代の変わり目を捉えた作品でもあって、報道のスターが失墜し、ネットでの個人の意見が大メディアを揺さぶると同時に、問題の本質が炎上状態で隠されてしまう――つまり現在へと直結する事例を検証しているのだ。

 1970年代に『候補者ビル・マッケイ』で選挙戦の裏側を暴き、『大統領の陰謀』ではジャーナリズムの矜持を体現したレッドフォード。彼がこの役柄を引き受けた意味を、ぜひ考えてもらいたい。

館理人
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『候補者ビル・マッケイ』は監督マイケル・リッチー。アカデミー賞脚本賞受賞作品です。

館理人
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『大統領の陰謀』は共演ダスティン・ホフマン、監督はアラン・J・パクラ。ジャーナリストがウォーターゲート事件を追います。

轟

週刊SPA!2017年1月31日発売号掲載記事を改訂!

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