読む映画リバイバル『白薔薇学園 そして全員犯された』

再検!日活ロマンポルノ

忘れられなくしてやるぜっ(by港雄一)

(1999年3月号より)

 「だまされごっこ」という歴史的名曲をご存知だろうか(『幻の名盤解放歌集・BMGビクター編 資本論のブルース』に収録)。唄っているのは港雄一と浦野あすか。港雄一は知る人ぞ知る“犯し屋”の異名をとり、『刺青・愛・乱舞』なる監督作もある怪優だ(ちなみに「銀星倶楽部19 桃色映画天国」には、解放同盟の三銃士=根本敬、湯浅学、船橋英雄による必読必殺の“港雄一インタビュー”が!)。

 さて「だまされごっこ」の話であった。まず女が「やめてお願い“痛いのよ”」と唄う。するとだ、港雄一は間髪入れずコール&レスポンス、ドスの効いた声で怒鳴る。

 「あんまりウブな振りしてみせんなよな、えっ、気取りやがって!」

 続けて女のほうが「何もしないと言ったのに」と唄うと、さらにドスを効かせて「これが男のやり方ってもんだ。よく覚えておけ!」

 ハイ、よ〜く覚えておきます。

 というわけで。1台のバスを借り切った白薔薇学園の研修旅行がスタートした。引率するのは三崎奈美扮する先生だ。しかしそのバスを狙う奴ら(港雄一含む)がいた。と書けばこの先の展開は、阪神タイガースの選手たちが“野村ID野球”を理解するよりも簡単だろう。

 「これが男のやり方ってもんだ!」
 とばかりに“犯し屋”港雄一、やってやってやりまくる。気分はソドムの市。

 しかも途中で「ブスは降ろすぞ」とのツルの一声が! ケダモノどもに“ブスの烙印”を押され、その場を助かるのがいいか、それともブスの汚名を逃れた代償として港雄一にヤラれたほうがいいか……という究極の選択。いや、どう考えても答えは前者だろ。が、降ろされた女たちは「何で私たちがブスなんだよ」とわめく。殺伐とした映画の空気をなごませる、牧歌的ないいシーンだ。

 そうしてブスたちは、一台のトラックを拾い、ヤバめの運ちゃんに惨状を説明。運ちゃんは「日本男子として絶対に許せん!」と激怒して港雄一らを追いかけるが、追いついたアカツキに何をするかは、炭酸に醤油を入れて「コーラ一丁!」と売りさばこうとしたバカ商人(あきんど)の明日を予想するよりもこれまた簡単だろう。

 しかし! ノストラダムスの大予言以上の命中率を誇ったこの映画のラストは不敵であった。「上映時間が決まっているからハイおしまい」とでも言うべきそれは、デヴィッド・リンチの『ロスト・ハイウェイ』よりも不可解な白日夢へと観る者を誘うのだ――。

 脚本を手がけたのは竹野内豊のTVドラマ『WITH YOU』の伴一彦。人生は所詮「だまされごっこ」——てな気持ちで書いた、とお見受けした。

[月刊ビデオボーイ掲載]
●監督:小原宏裕●出演:三崎奈美、太田あや子、他●1982年●日本