初心者向け【監督・溝口健二】解説&とりあえずの知ったかぶり4作品簡単解説!

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館理人
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映画監督・溝口健二は、黒澤明監督らとともに邦画黄金期を支えた巨匠です。

館理人
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影響力のある作品の数々。日本映画が語られるときに、チョイチョイ出てくる「溝口映画」を、ここではザックリ簡単に解説しま〜す!

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溝口映画は、女と男の人生模様がピカイチ!

(文・轟夕起夫)

 溝口健二は凄い。

 何が凄いって、あのヴェネチア国際映画祭での快挙。1952年 『西鶴一代女』の国際賞(=監督賞)を皮切りに、『雨月物語』『山椒太夫』も銀獅子賞に。

 つまり 3年連続入賞を果たしてしまったのだ!

 というわけで小津安二郎、黒澤明とともに、日本が世界に誇る三大巨匠、の一人である。

 1898年、東京は浅草の生まれ。1956年、白血病で逝去。享年58。

 遺した作品は全90本(現存するのは33本)。とりわけ女の性(さが)をリアル&メロウに綴り、1シーン1カットの長回し、クレーンを使った流麗な移動撮影などは溝口スタイルの代名詞となった。

 むろん、多彩な横顔も備えており、サイレント時代、ドイツ表現主義の影響を受け(『血と霊』)、モダニストぶりも発揮し(『東京行進曲』)、モーパッサン作「脂肪の塊」を川口松太郎が新派劇に翻案した「乗合馬車」も映画化(『マリヤのお雪』)。

 芸道物も得意で(『愛怨峡』『残菊物語』)、戦時中にはある種の国策プロパガンダ映画(『元禄忠臣蔵』『必勝歌』『名刀美女丸』)も作っている。

 ともあれ近年は 忘れられた巨匠となっていた溝口。フランソワ・トリュフォーは『雨月物語』を絶賛し、ジャン=リュック・ゴダールは『気狂いピエロ』のラストで『山椒太夫』にオマージュを捧げた。

 今後も幾度となく再評価され続ける巨匠である。

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溝口映画はこんな感じ!ピックアップ4本

『西鶴一代女』

出演:田中絹代、山根寿子、三船敏郎、宇野重吉、菅井一郎、進藤英太郎、大泉滉

井原西鶴の原作をもとに、封建制度下で御殿女中から夜鷹にまで流転していく女・お春の過酷な生涯を描く。田中絹代扮するお春が、巡礼帰りの農民たちのさらしものになるシーンは白眉だ。

館理人
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『雨月物語』

出演:京マチ子、水戸光子、田中絹代、森雅之、小沢栄、青山杉作

乱世の時代、貧しい陶工(森雅之)は若狭姫という美女と知りあい、生活をともにするようになる。だが姫の正体は幽霊だった! ヒロイン・京マチ子の妖しい魅力と映像美に全世界が陶酔。

館理人
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『祇園の姉妹』

出演:山田五十鈴、梅村蓉子、志賀迺家辨慶、久野和子、林家染之助、三枡源女、進藤英太郎

人情に厚い姉(梅村蓉子)と打算的で勝ち気な妹。何から何まで対照的な京都の芸者姉妹を主人公に、どちらにも厳しい現実を突きつける衝撃作。妹役、当時10代の山田五十鈴の名演が光る!

『残菊物語』

出演:花柳章太郎、高田浩吉、川浪良太郎、高松錦之助、葉山純之輔、尾上多見太郎

芸の拙さを諌められた梨園の御曹司が旅回り一座に同行、修業を重ね、役者として成長していく“芸道物”。実在の歌舞伎役者、二代目尾上菊之助の悲恋が展開していき、これは泣ける一本。

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轟

月刊スカパー2006年2月号掲載記事を改訂!