原点回帰!登場人物すべて「はぐれもの」のティム・バートン監督作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

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Photo by Rachel Davis on Unsplash
館理人
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ティム・バートン監督作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(2016年)のご紹介!

出演はエヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、ミュエル・L・ジャクソン、ジュディ・デンチ、テレンス・スタ

ンプ、ルパート・エヴェレット、ほか。

館理人
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レビューをどうぞ!

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バートン監督好みの「周囲から浮いている孤独な青年」の冒険譚

全米で300万部以上の売り上げを記録し、ロングセラーとなったランサム・ルグズの小説「ハヤブサが守る家」を映画化。

館理人
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文庫本、Kindle版は、映画タイトルで出ていますヨ。

クライマックスのバトルシーンで、珍しくティム・バートン本人がチラリと顔を出している。自作へのカメオ出演は初めて! それだけ“自信の作”と見た。

   ・   ・   ・

 かつて、「奇才」だの「異才」だのと呼ばれていた人が、すっかりポピュラーな存在になってしまうことはよくある。

 ティム・バートン監督もそんなひとりで、低年齢層の観客をこれまでになく取り込んだ『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』の世界的成功でいっそうメジャー化。

館理人
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『チャーリーとチョコレート工場』は、ロアルド・ダールの児童小説「チャーリーとチョコレート工場と秘密」が原作のミュージカルです。

館理人
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『アリス・イン・ワンダーランド』は、ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』が原作です。

続編『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』も作られました。

館理人
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以上3作とも、ジョニー・デップが主演です。

 今やその名は、キッチュかつファンタスティックな作風と共に幅広い世代に知られていると思う。

 が、レンジが拡大した分、近年は物足りなさを感じている昔からのファンもいる。

 新作は『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』。これもまた低年齢層(ガキ)向きか……と、うるさ型を思わせたのだが、ところがどっこい、“原点回帰”ともいうべきディープなテイストへと戻っていたのだった。

 バートン好みの「周囲から浮いている孤独な青年」の冒険譚で、唯一の理解者であった祖父の遺言に従い、ある島へと足を踏み入れる。だが目的地の屋敷はとっくに無く、1943年9月3日にドイツ軍の空襲を受けて破壊されていた。

 が! 彼は異世界へ招かれる。そこには世間に隠れて古城に住む異能者たちが。

 空中浮遊や両手から火を放つことのできる少女、はたまた、人形に命を宿せる少年などがおり、庇護者は古城の女主人ミス・ペレグリン。名花エヴァ・グリーンが凛々しくも妖しく艶やかに演じる彼女は、ハヤブサに変身し、時間を操る能力を持つ。

 登場人物が皆、“はぐれもの”の立ち位置なのが極めてバートン的だ。しかし、往年のままではなくスタイルの変化も見られる。例えば、屋敷は毎日“1943年9月3日”を繰り返しているのだが、それは夜になると空爆が始まってしまうから。

 時間をペレグリンが戻し、爆弾を回避しながら異能者たちは基本「太陽の下」で生きているのだ。

 つまりダークなナイトメア作家が“白昼の人”に。でもディープさは変わらず。いいメジャー化の例である。

館理人
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『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、原案・原作•製作がティム・バートンで、監督はヘンリー・セリックのミュージカルアニメ映画です。

轟

週刊SPA!2017年6月6日号掲載記事を改訂!