知的論争エンターテインメント映画『サンキュー・スモーキング』レビュー

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館理人
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世の中を渡っていく時、弁が立つって大事です。

館理人
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ディベートが得意になりたい!

館理人
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そんな時参考にしたい映画です。

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主人公は、植木等の当たり役“無責任男”のUSA版。でも内容は実に硬派

Photo by Luke Besley on Unsplash

タバコ業界の腕利きPRマンが主人公の知的論争エンターテインメント。

原作はクリストファー・バックリーの小説「ニコチン・ウォーズ」。

小規模な公開ながら、全米興行成績8位にランクイン、日本でもスマッシュヒットを記録した。余談だが、映画の中でタバコを吸うシーンは1カットもない。

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 どこの世界にも“弁の立つヤツ”はいる。本作の主人公の肩書きは、タバコ研究アカデミー広報部長。すなわちタバコ業界のスポークスマンで、その巧みな話術、ディベート術で世間をスイスイスーダラダッタと泳いでいく(アーロン・エッカート、好演!)。

 まるで植木等の当たり役、“無責任男”のUSA版みたいだが、単に特異なキャラに寄りかかった作品には終わっていない。

館理人
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植木等はコミックバンド「ハナ肇とクレージーキャッツ」のメンバーでコメディアン。テレビ番組でも大人気、映画では『無責任シリーズ』『日本一の男シリーズ』がヒットしました。

 劇中には離婚後、別々に暮らしている息子(名子役キャメロン・ブライト)が登場する。

 スポークスマンとして職務を全うすればするほど、世間から白い目で見られてしまう主人公。でも12歳の子供の目には、仕事のできる尊敬すべき存在に映っているのだ。そんな息子の前で彼はいかに振る舞っていくべきか。

 これは、2人の風変わりな親子関係の築き方、さらにはタバコの是非を例にとって「人間どう生きるべきか」──つまりは「自己選択」に関してまで考察を深めていく硬派な作品でもある。

 理にかなった筋運びと軽妙な演出が実に見応えあり。では、このクレバーな映画を作った人物とはいったい何者なのか?

 1977年生まれのジェイソン・ライトマン。父親はヒット職人のアイヴァン・ライトマン監督。

館理人
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アイヴァン・ライトマン監督作は『ゴースト・バスターズ』や…

『ドラフト・デイ』など。

 ジェイソンは生後11ヶ月で撮影現場デビュー、7歳のときには『ゴーストバスターズ』の現場に。

 偉大なる父を慕い、早くから業界入りして短編やCM製作で名を馳せ、ついに長編に挑んだ。

 ちなみに原作者に、「あなたの本を台無しにするために僕は雇われた」とカマして脚本協力を得たのだそう。ここにもえらく、“弁の立つヤツ”がいやがったぜ!

轟

週刊SPA!2007年9月18日号掲載記事を改訂!