こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。
その前にロマンポルノ解説を少々。
ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。
詳しくはこちらで紹介しています。
前置き以上!
あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。
さて、滝田洋二郎監督作です!
大作、話題作を多く手がける滝田さん、監督作としては、アメリカのアカデミー賞で日本映画初の外国語映画賞を受賞した『おくりびと』や、吉永小百合の120本目の出演作『北の桜守』などがあります!
データ
監督:滝田洋二郎
1984年
出演:滝川真子、真堂ありさ、織本かおる、林香依兌、藤冴子、青木祐子、高瀬ユカ、葉山かすみ、江口高信、荒木太郎、青嶋卓弘、片岡忠太郎、池島ゆたか、蛍雪次朗
映画ってこんなに自由なものだったのか!
(轟夕起夫)
ただでさえ憂鬱な毎日が、あれこれでさらに鬱陶しいコトこの上ない。いたずらに危機感が募る昨今である。いやホント、我々の享受しているささやかな自由なんて簡単に潰されちゃうんだから。
例えば1985年、自民党の中曽根康弘首相(当時)の深夜番組批判によってH系バラエティが軒並み撃沈した過去を覚えているか?
そんなことがありましたか。
ちなみにこのコラム、中曽根康弘元首相ご健在時の1999年のコラムとなります。
『TV海賊チャンネル』(日テレ)はそんな規制にあった番組の一つである。司会は所ジョージ。
「ティッシュタイム」というコーナーが売りだったのだが、文字通りこれは生放送中、女のコにしどけない格好をさせ、画面に「発射まで30秒前」「3・2・I」とカウントを入れた、NASAもビックリの打ち上げインタラクティブ企画。
コンプラな今ではありえないですね。
ああ、この「TV海賊チャンネル」のエロ・フリーダムに殉じていった麗しき戦士たちよ。早川愛美。中山あずさ。菊島里子。田代葉子(「いってミルク」という視聴者の家を訪問するコーナーでも活躍。ここでスカウトされたのがマグナム北斗だとか)。
そして忘れはしない……滝川真子。そうだ!! 「TV海賊チャンネル」の前年、滝田洋二郎監督のもと、彼女が主演した『痴漢保健室』がひときわフリーダムな映画であったことも記しておこう。
こんなシーンがあった。舞台は高校。ヒロインの真子は、殺された考古学者の父の残した秘宝をついに見つけ出す。逃げる真子。追う悪漢ども。
だがめぐりめぐって秘宝は、検便検査の容器の中へ。しかも奪いあいの果てにそれは窓から落下……すると、なぜか外でバットの素振り(一本足打法!)をしていた学生がジャストミートで場外ホームラン。
容器は銭湯に飛び込む(もちろん女湯)。と、洗顔クリームに手を伸ばしたオバハン、間違えて顔にクソを塗りたくり「何これ!」と叫んで投げ捨てられた容器は湯船の中へ。
ドタバタが下ネタ過ぎ…
一方追いかける真子はバイクに乗ったまま銭湯に。続けて悪漢どもも突入。そこで物語の展開とは無関係な用務員、蛍雪次朗(滝田映画の常連。平成『ガメラ』シリーズでもお馴染み)が乳モミまくり。
コンプラも振り切るスピード感です。
平成『ガメラ』シリーズは3部作。『ガメラ 大怪獣空中決戦』『ガメラ2 レギオン襲来』『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』です!
しかも悪漢どもの逮捕を尻目に、雪次郎は例のバイクに跨って、後ろにはハダカのネエちゃん乗せて「どいたどいた」と走り去っていくメチャクチャさ。
映画ってこんなに自由なものだったのか。そう痛感するー本だ!
ビデオボーイ1999年8月号掲載記事を改訂!
ほかの滝田洋二郎監督によるロマンポルノ映画はこちらで紹介しています。
ロマンポルノを鑑賞するためのサービスについて、関連記事はこちらです!