館理人
タイトルやジャケットからはちょっと内容をイメージしずらい映画ってあります。
館理人
古い映画はなおさらで、今の感覚とタイトルのつけ方がちょっと違う。
館理人
パット見の印象で判断してスルーしちゃってはもったいない傑作の一つが、『座頭市血笑旅』。てことで、復刻レビューでご紹介です。
なんと「泣ける映画とは!」な、座頭市
「座頭市、しばしパパになる」の巻である。
何の因果か、母を殺され、この世にひとり残された乳飲み子を、父親のもとへと届ける役目を引き受けた市ッつあん。
成り行きではあるが、授乳やらおしめ替えとも格闘、即席パパになろうとする。
で、賭場でも殺陣のシーンでも、“小道具”としての赤ん坊がちゃんと利いている。
執拗に命を狙い続ける一団とのあれこれ、道中知り合った女掏り(高千穂ひづる)との好工ビソードなどを挟みつつ、やがて旅も大詰めに。
父性の芽生えた市ッつあんが別れの前に、赤ん坊の手を握って
「坊や、これがおじさんの耳だ、これがロだ、これが鼻だ、目は・・・ねえんだ」
泣ける。こりゃあ、泣ける。
ところがやっと出会えた父親(金子信雄!)の、仁義なき野郎ぶりがまた最高で。
クライマックスには、火責めが待っている市ッつあんなのである(本当に着物が燃え、地面を転がり消していく)。
三隅研次監督が第1作以来、演出を担当したシリーズ第8弾。
目明きの世界の哀しさが、より描きこまれている。
轟
映画秘宝2009年11月号掲載記事を改訂!
館理人
今風にタイトルつけるならどんなかな・・・パッケージはどんなかな、なんて考えると楽しい作品ですね!
館理人
『座頭市』シリーズ関連記事のご紹介!