レス・ポールといえば、楽器メーカーのギブソン社が出すエレキギターのモデルのひとつとして有名。
ご紹介は、このモデルの名前のミュージシャンについてのドキュメンタリーです。
監督ジョン・ポールソン。出演はレス・ポールほか、ジェフ・ベックなど。2007年の映画です。
レス・ポールといえばエレキギター……だが彼の偉大さを皆はどこまで知っている?
1915年6月9日(=ロックの日!)生まれ。1930年代より音楽活動を開始。
ヒット曲多数、5度のグラミー賞を受賞し、2005年には8トラック・テープレコーダーやギブソン・レスポールの功労により、ミュージシャンとして唯一「発明家の殿堂入り」した偉人のドキュメンタリー映画。
アメリカの芳醇なポップミュージック史も同時に楽しめる。
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レスポール・モデルのギターといえば、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジらが手にしてきたロック史上の財産。
ところでそれが、一流ギタリストにして、稀代の発明家の名前だとご存知でした?
このドキュメンタリーは、貴重なアーカイヴ映像を織りまぜつつ、レス・ポール本人が自らの足跡を振り返っていく好企画だ。
ざっと彼の偉業を記すと、1950年にギブソンと契約を交わし、1952年には最初のソリッド・ボディ型のエレキギターを発表。
前年、1951年は妻のメリー・フォードとのデュオ、「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」が全米1位を獲得し、「世界は日の出を待っている」とともに空前の大ヒットに!
さらに、レコードのカッティングマシーンを自作、多重録音を可能にした功績が重要だ。世の人間は、何も考えずにスイッチを押して電気をつけるヤツと、なぜ電気がつくのかを調べるヤツとの2種類に分かれるが、レス・ポールは断然、子供時代から後者のようなタイプだったのだ。
90歳を超えても、毎週月曜日、NYのジャズ・クラブでライヴに励んだ生涯現役のギタリストでもあった。冗談好きのカッコいいジジイ。
レス・ポールは2009年、94歳でこの世を去りました。
このライヴ映像がまたイカしている。そして、感動的なのが、レス・ポールを称賛する“後輩たち”の姿。
ポール・マッカートニーにエディ・ヴァン・ヘイレン……ライヴのゲストにも呼ばれたキース・リチャーズは、こんな賛辞を残している。
「彼は俺たちに最高のオモチャを与えてくれた」
いまだプレイする最高の“オモチャ職人”の雄姿を瞼に焼き付けておこう。
週刊SPA!2009年12月30日号掲載記事を改訂!