日活ロマンポルノおすすめ復刻コラム『東京カリギュラ夫人』

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館理人
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こちらの映画レビューは、日活ロマンポルノのタイトルを紹介していく男性誌での連載コラム記事の復刻です。

館理人
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その前にロマンポルノ解説を少々。

館理人
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ロマンポルノは、R-18の映画で日活のレーベル。アダルトビデオとは別くくりの、年齢制限のある一般邦画として分類される映画です。

詳しくはこちらで紹介しています。

館理人
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前置き以上!

あ、コンプライアンス意識皆無時代のコラムゆえ、所々のバカすぎる文面には要注意でお願いします。

データ

1981年
監督:小原宏裕
出演:風間舞子、高原リカ、佐藤弥生、小川亜佐美        脚本:池田正一

〈東京〉のカリギュラはカリギュラな〈東京〉だ

(轟夕起夫)

Photo by Markus Spiske on Unsplash

 東京カリギュラ夫人──。

 このタイトルはまことに滋味深い。何が深いって単語のひとつひとつが“世界史”を反映しているからだ。え!? ホントにそんなデカイ話か?

館理人
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まさか。風呂敷広げ過ぎ。

 歴史を整理してみよう。

館理人
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突っ走る気ですか。

 1974年、フレンチ・ソフト・ポルノの逸品『エマニエル夫人』が日本に上陸。

館理人
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幼少期、銭湯の女子の方に貼ってあったのを強烈に覚えてます、エマニュエル夫人のポスター。

 翌年には、さっそく便乗企画『東京エマニエル夫人』と『新日本エマニエル夫人』が製作され、1978年にはさらに『高校エマニエル 濡れた土曜日』と世はまさにエマニエルづくし。しかしここでは〈夫人〉の一語のほうが継承されたわけだ。

大ヒットした『エマニエル夫人』の監督は元ファッションフォトグラファーで、映像がキレイ。女性に向けたプロモーションもあり、観客は女性が中心でした。

 なぜか? 時代が〈エマニエル〉に替わって〈カリギュラ〉になったからだ。

 暴力にFUCK三昧、酒池肉林を極め、在位3年10カ月で暗殺された第3代ローマ皇帝。

「カリギュラ」はカミュの小説。「異邦人」「シーシュポスの神話」とともにカミュの不条理三部作と言われてます。

ローマ帝国第3代皇帝の暴君カリギュラが題材。

 その波乱の生涯をボブ・グッチョーネ(名前がナイス)が製作総指揮で1980年に映画化。

ボブ・グッチョーネはアメリカの男性向け雑誌「ペントハウス」の創設者です。

「ペントハウス」は日本版も刊行されましたが、2014年に休刊しました。

 製作費46億円を湯水のごとく使い、「ペントハウス」誌が初めて放ったこの史劇ポルノ大作は、たちまち世界の股間市場を席捲した(日本でも船上プレミア試写会とかハデにぶちあげてた記憶が)。

映画タイトルはまんま『カリギュラ』です。

 で、流行語〈カリギュラ〉に〈夫人〉を合体。これに和風風味の〈東京〉の冠を乗せて、一丁あがりィと翌年登場したのが本作である。

館理人
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さすが、力技が過ぎます、ロマンポルノ。

 だが、もちろん出来上がったそれは〈カリギュラ〉とはなんの関係もなかった。

館理人
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さすがです、ロマンポルノ。

そういえば、アマゾンプライムオリジナルの「今田×東野のカリギュラ」もいわゆる〈カリギュラ〉とは別内容ですね。〈カリギュラ〉が示すイメージって何なんでしょう。

 ヒロイン風間舞子の性の開拓、というか“開墾”という言葉のほうがお似合いな、アース・ウインド&ファイアーなSEXシーンがワンコそば状態。ともにお腹一杯になる点だけが似ているというべきか。

アース・ウインド&ファイアーなSEXシーン?

Earth, Wind & Fire(=土、風そして火)はホーンセクションがパワフルな大所帯ファンクバンド。グラミー賞は6回受賞!ですが。

 それにしても〈東京〉というのは凄い言葉だ。東京ビートルズがいれば東京エマニエル夫人もいる。東京ディズニーランドがあり、東京ビッグサイトもある。東京砂漠と嘆けば東京ララバイと泣き、東京サンシャインボーイズは解散したが、元東京JAPの赤坂泰彦は今では夜もヒッパレしている1990年代。東京、東京、俺の東京。

「東京砂漠」は内山田洋とクールファイブの1976年のシングル曲ですが、ボーカルの前川清さんがソロとしても歌っています。

「東京ららばい」(1978年)は中原理恵さんのデビューシングル曲。

 〈東京〉ならば何でもあり。

 妄想をかきたてるという意味ではそれは、最強のオナペットだと思う。尻軽女〈東京〉でヌく残暑の午後。

ビデオボーイ1997年10月号掲載コラムより!

館理人
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『東京カリギュラ夫人』はU-NEXTでは見放題タイトルに入っています。(2021年7月2日まで、2020年10月現在情報)

館理人
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