読む映画リバイバル『恐怖と欲望』

俺達に、墓などはない

(2013年5月下旬号より)

 さぞかしあの世でスタンリー・キューブリックは、めちゃくちゃ怒り、悔しがっているに違いない。何しろ「未熟な出来」と自ら封印した初の長編映画が、いつの間にか世間の目に晒されるようになってしまったのだから。きっと、墓を掘り返された気分であろう。 “読む映画リバイバル『恐怖と欲望』” の続きを読む

読む映画リバイバル『狩人の夜』

映画史に残る稀有な悪漢ハリー・パウエル。大金を求めて標的を執拗に追うその姿が圧巻

(2009年8月18日号より)

 最近、映画を形作る重要な要素のひとつ、とんでもなく魅力的な悪漢と出会えていない気がする。昨年は、ざっと挙げても『ダークナイト』のジョーカー、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の狂信的な石油王と宣教師、『ノーカントリー』の家畜用スタンガンを持ち歩く殺し屋など、キャラの立った悪漢どもが大いにスクリーンを賑わせていたわけだが。まあ、これからの公開作に期待しつつ、ここでは映画史に残る特別な悪漢について触れてみたい。 “読む映画リバイバル『狩人の夜』” の続きを読む

読む映画リバイバル『赤い風船』『白い馬』

あの“風船おじさん”も観ていた傑作。『フランダースの犬』級の感動が涙を誘う

(2008年12月16日号より)

  君は“風船おじさん”の冒険を覚えているか? 昔(1992年のこと)、風船を26個つけたゴンドラに乗って太平洋を横断しようとし、消息不明になった人。本名は鈴木嘉和というのだが、その風船おじさんも観ていたという傑作『赤い風船』が、ついにDVDになる。 “読む映画リバイバル『赤い風船』『白い馬』” の続きを読む