読む映画リバイバル『ドゥームズデイ』

『ニューヨーク1997』『マッドマックス2』etc. これは監督によるマジな“映画ゴッコ”である

(2010年12月29日号より)

 これはあくまで私論だが、映画監督として成功した者が一度だけやってもいい“道楽”というのがあると思う。すなわち、「自分が子供の頃に出会った大好きな作品の、影響丸出しな“映画ゴッコ”をする」こと−−−−。

 ここに紹介する『ドゥームズデイ』は、そんな微笑ましい“映画ゴッコ”をしていると思うのだが、この監督が、何を好きかはすぐわかるだろう。

 ジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』とジョージ・ミラー監督の『マッドマックス2』だ。 “読む映画リバイバル『ドゥームズデイ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ゼロ・クラビティ』

私にとっては大きな一歩

(2014年1月下旬号より)

 本作は“純粋活劇”と呼ぶべきものではないか。とにかく捨てカットなし! 宇宙を漂流する登場人物は次々と訪れる危機を回避しようとアクションし続け、観る者はその一挙手一投足から少しも目が離せない。

 科学的な精緻さを求める映画ではないと思う。むしろある種のホラ噺を楽しむくらいの余裕の気持ちで挑みたい。ベテラン宇宙飛行士のマット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)の軽口が「映画ならではの大ボラを受け入れよ」とさりげなく諭しつつ、誘導もしているようだ。 “読む映画リバイバル『ゼロ・クラビティ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『トゥモロー・ワールド』

驚異の長回し&絶妙な音楽使いが抜群。邦題のイマイチさが嘆かれる傑作だ

(2007年3月20日号より)

 元ジャーナリストで今は隠遁家、ヒッピー崩れの長老(マイケル・ケイン)が愛聴していたのはストーンズのカバー、イタリアの鬼才フランコ・バッティアートによる「ルビー・チューズデイ」である。

 一体、だしぬけに何だ!? と思われるかもしれないが、すでに本作を観た方ならこれだけで脳内プロジェクターが動きだすはず。 “読む映画リバイバル『トゥモロー・ワールド』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ラブリーボーン』

殺された少女の「無念と後悔と怒り」に同化し、ピージャクのイマジネーションも奔放に暴れ回る

(2010年7月13日発売号より)

 ピージャクこと、ピーター・ジャクソン監督の久々の新作ということもあって、期待が大きかったのだろう。『ラブリーボーン』は公開時、賛否が真っ二つに分かれた映画だった。 “読む映画リバイバル『ラブリーボーン』” の続きを読む

読む映画リバイバル『イルカの日』

喋るイルカの名アクターぶりに感心。この可愛さはズルい! ズルい!

(2009年6月23日号より)

 のどかだ。何とも、のどかなのだ。『イルカの日』。といえば、人間の言葉を話すようになったイルカが「大統領暗殺計画に利用される」という、ジャンル的には一応“SFサスペンス”に分けられている一品であり、DVD化を筋金入りの映画ファンが長年待ち望んでいた往年の名作である。 “読む映画リバイバル『イルカの日』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』

シビアな人種問題を心温まるタッチで描いたSFヒューマンドラマの佳作

(2008年1月29 日号より)

 昨年の12月、アメリカ映像博物館の主催で、監督ジョン・セイルズと名優ダニー・グローヴァーを称える祝典が開かれたらしい。そうかぁ、元気だったか、ジョン・セイルズ! ダニー・グローヴァーとは新作『ハニードリッパー(原題)』も完成させているそうで、まだまだ現役なのが嬉しいではないか。 “読む映画リバイバル『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』” の続きを読む

読む映画リバイバル『コングレス未来学会議』

死ぬ前に観る映画

(2015年8月上旬号より)

 死ぬ前に、どの映画を観るか?

 何だかいきなり穏やかな話題ではないですが、一度は考えたことありません? かくいう筆者は、 “読む映画リバイバル『コングレス未来学会議』” の続きを読む