轟夕起夫が触れたヌーヴェル・ヴァーグという映画史
(2011年6月号より)
共に59年に長編デビュー作を放ち、ラストシーンで、主要登場人物に“カメラ目線”をさせたふたりの映画監督がいる。『大人は判ってくれない』のフランソワ・トリュフォーと、『勝手にしやがれ』のジャン=リュック・ゴダールだ。
観客に向けられた、挑発的だが只ならぬ思いを訴えかけてくる視線——この“眼差し”が、同時代的になぜ生まれたのかを知りたい方、はたまた、今までトリュフォーやゴダールの作品には何ら関心のなかった方々——すなわち、一大クロニクル『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』とは、そんな人たちこそが観るべき、よく出来た“映画史”入門篇のドキュメンタリーなのであった。 “読む映画リバイバル『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』” の続きを読む