ダウンタウンの浜田雅功さんが出演のCM、出前館で、浜ちゃんが歌っている「で、で、で〜まえかん、でまえがスイスイスイ〜」、元歌は植木等(クレージーキャッツ)の「スーダラ節」ですねぇ。
植木等さんについての記事は、高田文夫さんにその魅力を伺ったインタビュー記事もアップしていますが…
小松政夫さんに植木等さんについて伺ったインタビュー記事もありまして。
2020年の年末に亡くなられたコメディアン・小松政夫さんと、小松さんが師と仰いだ植木等さんとの関係は深いものがありました。
てことで、復刻インタビュー記事は『植木等と歩んだ芸能人生・小松政夫Special Interview』!
取材・文 轟夕起夫
コメディアンであり、歌手であり、役者であり..…。たぐいまれな才能で、日本に元気をくれた植木等。映画や音楽の中で華麗に生き続ける偉人の足跡を、小松政夫さんのインタビューコメントから辿ります!
小松政夫 プロフィール
1942、福岡県博多生まれ。
1961年、俳優を目指して上京。
1964年、植木等の付き人兼運転手として芸能界入りし、テレビバラエティ番組「シャボン玉ホリデー」でデビュー。
バラエティ番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ」(1976年)の1コーナーで歌って踊った「電線音頭」が大ヒット、国民的な人気者に。
2020年12月7日死去、享年78。
植木等 プロフィール
1926年12月25日、愛知県生まれ。
1952年、自身のバンド「植木等とニューサウンズ」を結成。
1954年、フランキー堺率いる「シティ・スリッカーズ」に参加。
1957年、ハナ肇率いる「ハナ肇とクレージー・キャッツ」に参加。
1959年に放送が始まった「おとなの漫画」にグループで出演、続いて1961年にスタートした「シャボン玉ホリデー」では「お呼びでない」など数々のギャグを生み、人気を得る。また、歌「スーダラ節」が大ヒット。
1962年、初主演映画『ニッポン無責任時代』で国民的スターに。
〜1971年、東宝クレージー映画に主演(『無責任』シリーズ、『日本一の男』シリーズ、『クレージー』シリーズ)
1972年、結婚。
1985年、黒澤明監督作『乱』に出演。
1986年、木下恵介監督作『新・喜びも悲しみも幾歳月』にて日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞。
1990年、「スーダラ伝説」発売。23年ぶりに紅白歌合戦出場。
1993年、紫綬褒章受賞。
1999年、勲四等旭日小綬章受章。
2007年、肺気腫による呼吸不全のため死去。享年80。
植木等を一番近くで見てきた男・小松政夫が思い出を語るインタビュー
「植木等は、日本の宝です。私はこの誇りを一生、ずっと一生大事にしていきます」
きっとこの言葉、覚えている方も多いだろう。2007年4月2日、青山斎場にて行われた「植木等さん 夢をありがとう さよならの会」。小松政夫は霊前で、そのように力強く誓った。
車のセールスマンだった小松が、植木等の付き人兼運転手に正式採用されたのは1964年のこと。600人もの応募者の中から選ばれたのだが、当時、多忙を極めていた植木等は過労と肝臓疾患で入院。小松はさっそく病院を見舞った。
小松 そのとき逆に、僕の身辺を気にして「お父さんを早くに亡くされたそうだが、私のことを父と思えばいい」と言ってくださった。僕は22歳で、おやっさんは37歳。嬉しかったですね。撮影現場では監督やスタッフによく「こいつ面白いよ〜、何かあったら使ってみて」と推薦もしてくださいました。台本を読んで「この役なら小松だよ」とも。器が大きかった。僕が今日あるのは、おやっさんのお陰です。
小松は、付き人になる前から植木等のファンで、クレージー・キャッツが出演していた人気バラエティ「シャボン玉ホリデー」も欠かさず見ていた。
小松 家では見ないんです。行きつけのビアホールにあるカラーテレビ……ボーイにチップを渡して毎週特等席で(笑)。植木等というスターは二枚目なのにトンデモなく面白く、いい声で、その上にあの天性の明るさが加味されてね。歌の上手いコメディアンというか、コメディーもこなせるミュージシャンというのか、どちらにせよ、稀に見る本物のエンターテイナーでしたね。
そのエンターテイナーぶりは 1970年代以降、「王将」や「シカゴ」といった舞台でも花開いた。
小松 「『王将』の坂田三吉みたいな役はな、年とってからやるもの。50歳になったらやるよ…」と。僕は思わず、こうツッコんでいました。「おやっさん、もう50歳ですよ」って(笑)。本来、研究熱心な方ですから。大阪弁を完璧にしようとイントネーションを譜面に書いて覚えていましたよ。
忘れられないのは1990年のこと。それまでのヒット曲をメドレーした『スーダラ伝説』でクレージー・キャッツ時代の植木等が復活、日本中を席巻した!
小松 頂点を極めれば、あとは下降していくというもの。ところが植木等というスターは地道に活動しながら、還暦を越えてもう一回「波」を起こした。これはスゴイことです。ブームではなくこれからも語り継がれる存在。偉大な人を師に持ったという誇りが、僕をつねに支えてくれています。
植木等映画 おすすめ7本
植木等さんの映画、これらはいかがでしょう!
『大冒険』
小松政夫がスタント! クレージーと円谷の最強タッグ!
クレージー・キャッツ結成10周年記念映画。クレージー版007とも呼ばれる荒唐無稽かつ痛快な特撮ギャグアクション。バイクに乗った植木さんが劇中、埠頭でチェイス、さらにジャンプして転倒するシーンでは、実は小松政夫がそのスタントを演じている。
『ニッポン無責任野郎』
無責任シリーズ最高傑作の誉れ高き第二弾
源等(みなもとひとし)は楽器会社に入社、天性のハッタリとオトボケで出世街道まっしぐら。植木等の“無責任男”が絶好調。
『日本一の色男』
こちらも人気の『日本一』シリーズ第一弾
オリンピック直前の東京を舞台に、化粧品会社のセールスマン、光等(ひかるひとし)が大暴れ。トントン拍子に成功していく!
『花のお江戸の無責任』
シリーズ初! 大御所・山本嘉次郎の監督作
父のリベンジのため江戸にやってきたお調子者の助六(植木)がC調キャラを発揮して仇討ちを成功させるクレージー時代劇。
『クレージー大作戦』
刑務所を脱走して大金庫から10億円を奪え!
クレージー・キャッツの面々が、金庫破り、読唇術等のスペシャリストを擁する犯罪プロフェッショナル集団に扮する娯楽巨篇。
『クレージー黄金作戦』
日本喜劇映画史上、最高峰に位置する超大作
邦画史上初の本格米国ロケを敢行。カジノのネオンをバックに、クレージーの面々がラスベガス大通りで踊るシーンは圧巻。
『クレージーの大爆発』
3億円事件やアポロ月面着陸など世相も反映
作戦シリーズの1本。クレージーの面々は何と地球で3000億円の金塊略奪作戦を進めるばかりか、宇宙へと出向いてしまう。
月刊SKYパーフェクTV2009年7月号掲載記事を再録です!