読む映画リバイバル『恋愛小説家』

(1998年6月上旬号より)

 厭世家にして毒舌家。しかも強迫神経症の上に極度の潔癖性。人付き合いという面で考えれば三重苦、いや、四重苦を抱えたキャラクターではある。しかしJ・ニコルソン扮するこの男は熟年の恋愛小説家。著書は60冊以上を数え、固定ファンも多く、功を遂げ名を成したヒトカドの人物らしい。 “読む映画リバイバル『恋愛小説家』” の続きを読む

読む映画リバイバル『フェノミナン』

天才的能力を授けられた男から眺めた世界

(1997年1月下旬号より)

 「フェノミナン」とは、哲学用語のひとつで“現象”という意味。もとは自然科学の分野で使われはじめた言葉らしく、ニュートンの著作の中にも見つけることができるそうだ。

 さて、そんなタイトルにたがわず、舞台となる平和な田舎町には、さまざまな“現象”が起こってゆく。 “読む映画リバイバル『フェノミナン』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ディディエ』

フランス人の好きなサッカー、犬、シャバを組み合わせた映画

(1998年5月上旬号より)

 タイトルの“ディディエ”とは、ペットのラブラドール犬に付けられた名前である。

 だがそれは、途中から人間の呼び名になる。なぜか? その犬が突如、人間の姿に変わってしまうからだ。不条理? そう、まさしくカフカの『変身』のごとく。 “読む映画リバイバル『ディディエ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

(2000年3月下旬号)

 このところ進むべき道を見失い、なにか足踏みしているような映画ばかり撮っていたヴィム・ヴェンダース。だが“停滞”も旅の一要素である。「日」が昇りさえすればいつかは新たな地平へと「立」つことができる。 “読む映画リバイバル『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『キッズ・リターン』

(1996年10月下旬号より)

 エドワード・ヤン監督待望の新作『麻蔣』が、『カップルズ』というタイトルで公開されるという。さまざまな関係の二人組が物語を進行していくことからこのタイトルがつけられたそうだが、ならば我らが北野武監督の『キッズ・リターン』もまた、“カップルズ”の織りなす映画として眺めることが可能だろう。 “読む映画リバイバル『キッズ・リターン』” の続きを読む

読む映画リバイバル『マトリックス』

(1999年10月下旬号より)

 20世紀を締め括るように登場した「マトリックス」が、題名通り、次世代の映画スタイルのひとつの“原型”になるだろうコトはいまさら言うまでもない。ましてや、その驚異的なビジュアルを成立させている世界観や夥しいテクストに関してはすでにいろいろ書き尽くされており「何をか言わんや」というのが正直なところ……だが、気分を出してもう一度byB.B(ブリジット・バルドー)。 “読む映画リバイバル『マトリックス』” の続きを読む

読む映画リバイバル『バスケットボール・ダイアリーズ』

(1996年4月下旬号より)

 “汚れた顔の天使”ではなく、“美しき顔の堕天使”ともいうべき映画の主人公たち。例えば「夜の人々」(49)のF・グレンジャーや「陽のあたる場所」(51)のM・クリフトといった二枚目スター。「理由なき反抗」(56)のJ・ディーンとD・ホッパーもまたこの系譜上だった。彼らは、あたかも “読む映画リバイバル『バスケットボール・ダイアリーズ』” の続きを読む

読む映画リバイバル〈『学校』シリーズを振り返る〉

俳優、映画ファンにとってのすばらしい“課外授業”シリーズ

(2000年11月号より)

 山田洋次監督の『学校』シリーズは、タイトルこそシンプルだが、中身のほうはとても滋味深い。何しろ「寅さん」と長年並走してきた山田監督である。さまざまな教育現場に目を向けつつ当シリーズは、教室を飛び出し、いたるところに転がっている人生の“課外授業”を毎回映しだしてみせてきた。 “読む映画リバイバル〈『学校』シリーズを振り返る〉” の続きを読む

読む映画リバイバル『新選組』(監督:市川崑)

奇想が描きだす鮮烈な新選組の軌跡

(2000年2月上旬号より)

 大島渚監督が13年ぶりに発表した劇映画「御法度」で新選組を扱ったのはご存知の通りだが、市川崑監督もまたその名もずばり「新選組」という“映画”を撮った。 “読む映画リバイバル『新選組』(監督:市川崑)” の続きを読む

読む映画リバイバル『岸和田少年愚連隊』

(1996年5月下旬号より)

映画館の、決して多くはない観客(なぜなのだ!)であった女子高生たちは、幕が降りると「面白かったねェー。よく分かんなかったケド」とのたまった。

上等じゃねえか――。 “読む映画リバイバル『岸和田少年愚連隊』” の続きを読む

読む映画リバイバル『フル・モンティ』

(1998年3月上旬号より)

失業中で身も心もドツボ状態の野郎6人が一念発起。なんと雁(カリ!?)首揃えて男性ストリップに挑んじゃうてな痛快作。

その出会いから、思わず拍手喝采の〈スッポンポン〉ショーへと至るプロセスは、 “読む映画リバイバル『フル・モンティ』” の続きを読む