読む映画リバイバル『イルカの日』

喋るイルカの名アクターぶりに感心。この可愛さはズルい! ズルい!

(2009年6月23日号より)

 のどかだ。何とも、のどかなのだ。『イルカの日』。といえば、人間の言葉を話すようになったイルカが「大統領暗殺計画に利用される」という、ジャンル的には一応“SFサスペンス”に分けられている一品であり、DVD化を筋金入りの映画ファンが長年待ち望んでいた往年の名作である。 “読む映画リバイバル『イルカの日』” の続きを読む

読む映画リバイバル〈『仁義なき戦い』シリーズは邦画史に残る男たちの群像劇〉

(2000年11月号より)

 暴力と抗争。裏切りと報復。『仁義なき戦い』シリーズといえば、即座にそんなイメージが浮かびあがってくるだろう。

 まあ、たしかにそれはそうなのだ。’73年に公開されるや大ヒットを記録。’74年にかけて連打されたシリーズ5作は、戦後の広島やくざ抗争をリアルに描いたものだった。 “読む映画リバイバル〈『仁義なき戦い』シリーズは邦画史に残る男たちの群像劇〉” の続きを読む

読む映画館リバイバル『断絶』

米国の迷走感溢れる、“呪われし”カルトムービーのラストを見よ!

(2007年4月17日号より)

 呪われた映画、というものがある。この71年公開の『断絶』もそんな1本として数えられてきた。主演はジェームズ・テイラーとデニス・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ!)。当時人気のミュージシャンだ。彼らは “読む映画館リバイバル『断絶』” の続きを読む

読む映画リバイバル『(秘)女郎責め地獄』

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 爆弾になってしまえば人間も人形も同じなり

(2001年11月号より)

 人形とは、人間の似姿だ。

 黒衣(くろこ)の意のままに操られるのが人形のさだめだが、ときに人間もまた操り人形と同じ境遇になる。つまり自分の意志を持っているようでいて、実は背後でうごめく何者かに操られてしまう人間の哀しい運命。客観的に眺めてみればどっちもどっちだろう。 “読む映画リバイバル『(秘)女郎責め地獄』” の続きを読む

読む映画リバイバル『(秘)色情めす市場』

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本当の「聖者の行進」とはこういうものだ!

(1998年6月号より)

 今回はひとつ、本作をめぐる極私的な思い出をザックリと語らせてもらおう。

 いまから10数年前。大学生の頃のことである。つまり80年代の半ば。学園祭の恒例オールナイト上映会のラインアップに、当時俺の所属していた映研はこの映画を潜りこませたのだ。 “読む映画リバイバル『(秘)色情めす市場』” の続きを読む

読む映画リバイバル『生贄夫人』

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役所広司、黒木瞳主演によるもう一つの『失楽園』を夢想する

(1997年8月号より)

 久木祥一郎と松原凛子。
 この二人の名にピンときたアナタは『失楽園』ブームの一端を担ってきた方なのだろう。原作を読んだか、はたまた映画版を観たか。それぞれの家屋を犠牲にし、真実の愛とやらに殉じていく男と女。映画ではシンシンと雪が降りしきる中、役所広司と黒木瞳扮する〈祥一郎と凛子〉の、その道行きを貫徹するラストがまた、とりわけ深い余韻を残していた。

 それはそれでいいのだ。そんな風に美しく人生を諦められたら実に悦ばしいことではあろう。本当に。

 ところがここに、心中をしたにもかかわらず、そうは簡単には美しく死なせてもらえなかったカップルが存在する。『生贄夫人』の東てる美と影山英俊扮する若きカップルだ。

 山中に、仲よく並んで仮死状態にあった二人。それまでさんざんヒロインの谷ナオミを責めまくっていた、サディスト男に見つかったのが運のつきだった。女のほうは死姦されて息を吹き返し、廃屋に連れていかれ、のちに男がそこに自力で辿りつく。

 谷ナオミはサディスト男に訊ねる。
「やっかいなお荷物を背負い込んだものね。なぜ助けたりしたの?」「妬ましかった……」「妬ましい?」「顔がね、笑ってたんですよ。幸せそうにね。まるでもう、自分たちの愛を信じきっているといった顔で……」「死人に嫉妬するなんて……あなたらしいわ」

 そうして縛られ泣きじゃくる女に、谷ナオミが駄目押しでこう云う。
「どうして死んでしまわなかったの。……これから生き恥をさらすことになるというのに……」

 男がハッと目を覚ますと、自らは柱に括りつけられ、そこには縄化粧の恋人が、例のサディスト男に浣腸を一発お見舞いされるところであった。「 ウッー」という呻き越えとともに恋人の目の前で失禁する女。

 ホント、死んでおけば良かった。

 それにしてもドリフのコントではないが、もしも祥一郎と凛子の心中現場に、このサディスト男が現れていたなら――雪の上の浣腸――。

 それもまた、もうひとつの失楽園と呼ぶべき光景かもしれない。

[ビエオボーイ掲載]
●監督:小沼勝●出演:谷ナオミ、東てる美、坂本長利、他●1974年●日本

読む映画リバイバル『団地妻・昼下りの情事』

再検!日活ロマンポルノ

日活ロマンポルノ生誕30周年は、来年なのダ

(2001年1月号より)

 トンネルを抜けると、そこは断崖だった。男と女は、車の中で裸になっていた。 “読む映画リバイバル『団地妻・昼下りの情事』” の続きを読む

読む映画リバイバル『くノ一忍法 卍がらみ』

再検!日活ロマンポルノ

野呂圭介もどっきりの元祖くノ一忍法ポルノ

(1997年9月号より)

 伝家の宝刀とでもいうのか、それを出されただけで全てが丸く収まってしまう、水戸黄門の印籠にも匹敵するスゴい小道具がかつてあった。 “読む映画リバイバル『くノ一忍法 卍がらみ』” の続きを読む