(1995年4月上旬号より)
増村保造の映画は、一見すると、精緻に組み立てられた「建築物」に似ている。
構図の中心に登場人物の顔をおさめた安定したミディアム・ショット。マシンガントークの応酬を実況的に伝える的確なリバース・ショット。そして論理的な物語の展開に弾みをつけるスピーディーな編集。 “読む映画リバイバル〈増村保造の映画世界〜フェチ・キーワード辞典〉” の続きを読む
映画評論家・コラムニスト・インタビュアー。轟夕起夫の雑誌掲載映画評をリバイバル公開中! netに散らかっている記事はlink一覧からどうぞ!
(1995年4月上旬号より)
増村保造の映画は、一見すると、精緻に組み立てられた「建築物」に似ている。
構図の中心に登場人物の顔をおさめた安定したミディアム・ショット。マシンガントークの応酬を実況的に伝える的確なリバース・ショット。そして論理的な物語の展開に弾みをつけるスピーディーな編集。 “読む映画リバイバル〈増村保造の映画世界〜フェチ・キーワード辞典〉” の続きを読む
(2015年4月上旬号より)
ウディ・アレン。クリント・イーストウッド。ジャン=リュック・ゴダール。さて簡単なクイズを。この3人の共通点は一体何でしょう?
答え。――自分で監督を務めた作品のなかで役を演じてみせる――つまり、“自作自演”の名手である。いや待て。名手ではあるが、ちとニュアンスが違うか。正確には熟練者、エキスパート、スペシャリスト……こっちのほうがより相応しいと思う。 “読む映画リバイバル〈アレン、イーストウッド、ゴダール 俺たちの“自作自演”〉” の続きを読む
(1999年10月号より)
「ゴダールが好き!」と言うことは簡単だが、どこがどう好き、と説明するのは、本当に難しい。別に、あの頭の禿げあがった風体のあがらない男そのものにメチャクチャ魅かれているわけではないはずだ。 “読む映画リバイバル〈ジャン=リュック・ゴダール〉” の続きを読む
(2012年10月下旬号より)
ちょっと特殊な体験をしたことがある。「あの夏、いちばん静かな海。」の公開前、北野武監督の取材用に試写が行われたのだが、映画自体はほぼ完成していたものの、そこで見せてもらえたバージョンには久石譲氏の音楽が入っていなかったのだ。 “読む映画リバイバル〈北野武映画/沈黙に、耳を傾けよ〉『アウトレイジ ビヨンド』” の続きを読む
(2013年10月下旬号より)
かつて、吾妻光(てる)という女優がいた。1898年生まれ、1980年に逝去。“吾妻光子”名義でも活動し、夫は作家の大佛次郎。彼女は1920年、映画「幻影の女」において、画家とつきあうも相手がプラトニック過ぎて別の男に靡(なび)く娘と、その捨てられた画家が孤島で幻視するヒロインの二役を演じた。大島ロケの海岸では「ほとんど全裸に近い姿態で登場」したことで知られ、日本初のヌードシーンを撮影した女優とも言われている。 “読む映画リバイバル〈女優とヌードの誕生〉帰山教正の論考” の続きを読む