読む映画リバイバル『サムサッカー 17歳、フツーに心配な僕のミライ』

『オーラの泉』よりも心に染みる!? マイク・ミルズ監督の優しいメッセージ

(2007年2月6日号より)

 その業績は、記し始めたら何ページも費やすことになるだろう。偉才マイク・ミルズ。人気ブランド「X-girl」のロゴや、ビースティ・ボーイズ、ソニック・ユースのCDジャケ、ミュージッククリップにCM(GAPのミュージカル風のやつ)などなど、グラフィックデザイナー、映像作家として幅広く活躍してきたアーティストだ。 “読む映画リバイバル『サムサッカー 17歳、フツーに心配な僕のミライ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『セッション』

才能を食い合う「モンスター映画」

(2015年5月上旬号より)

 この映画を観たあとは感情が高ぶって、ハイテンションのまま、しばらくはバディ・リッチ師匠の神技ナンバーばかり聴いていた。ジャズ史のみならず、ドラマー史上の神々のひとり。その驚異のドラミング、超高速シングルストロークは味わえば味わうほど虜に。「もっと、もっと!」とカラダが欲しがる始末である。なかでも、56歳のときにリリースした名盤〈THE ROAR OF ’74〉が最高だ。パワフルなドラムにアグレッシブなブラスセクション。これぞビッグバンドスタイルの醍醐味で、 “読む映画リバイバル『セッション』” の続きを読む

読む映画リバイバル『アメリカン・ティーン』

高校生のリアルに迫るドキュメント……のはずが、ドキュメントっぽくないのはなぜ?

(2009年3月17日号より)

 近年、映画やTVドラマはリアリティを求め、その方法論としてよくドキュメンタリー・タッチを導入する。ナマっぽい映像と臨場感あふれる編集の合わせワザ。これは簡単そうで、作り手のセンスが如実に出てしまう手法なわけだが、逆の発想もまたあり。 “読む映画リバイバル『アメリカン・ティーン』” の続きを読む

読む映画リバイバル『バスケットボール・ダイアリーズ』

(1996年4月下旬号より)

 “汚れた顔の天使”ではなく、“美しき顔の堕天使”ともいうべき映画の主人公たち。例えば「夜の人々」(49)のF・グレンジャーや「陽のあたる場所」(51)のM・クリフトといった二枚目スター。「理由なき反抗」(56)のJ・ディーンとD・ホッパーもまたこの系譜上だった。彼らは、あたかも “読む映画リバイバル『バスケットボール・ダイアリーズ』” の続きを読む

読む映画館リバイバル『断絶』

米国の迷走感溢れる、“呪われし”カルトムービーのラストを見よ!

(2007年4月17日号より)

 呪われた映画、というものがある。この71年公開の『断絶』もそんな1本として数えられてきた。主演はジェームズ・テイラーとデニス・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ!)。当時人気のミュージシャンだ。彼らは “読む映画館リバイバル『断絶』” の続きを読む

読む映画リバイバル『THIS IS ENGLAND』

繁栄から取り残された街で生きる少年——。マイノリティの抱える閉塞感が胸に染みる

(2009年12月15日号より)

 シンプルだが大胆なタイトルである。直訳するなら「これが英国だ」。といっても首都ロンドンの話ではない。イングランド中部の繁栄からは取り残された町を舞台に、映画は“’83年”にフォーカスを合わせる。主人公は12歳のショーン少年。グッとくるツラ構えの彼が、スキンヘッドで生きることを自ら選ぶ、胸をギュギュっと衝かれる物語だ。 “読む映画リバイバル『THIS IS ENGLAND』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ONCE ダブリンの街角で』

主人公2人の現役ミュージシャンとしての存在感、映像と音の幸福なハーモニーを体験してほしい

(2008年5月 27日号より)

 この映画、全編を包み込む楽曲の良さが、まずは特筆に値する。今年のアカデミー賞で歌曲賞を受賞したので、チェック済みの人もいるだろう。まずは音楽だけを聴いて、気に入るかどうか確かめるのもいいが、やはり、映像と音の幸福なハーモニーを体験してもらいたい。 “読む映画リバイバル『ONCE ダブリンの街角で』” の続きを読む