読む映画リバイバル『ドゥームズデイ』

『ニューヨーク1997』『マッドマックス2』etc. これは監督によるマジな“映画ゴッコ”である

(2010年12月29日号より)

 これはあくまで私論だが、映画監督として成功した者が一度だけやってもいい“道楽”というのがあると思う。すなわち、「自分が子供の頃に出会った大好きな作品の、影響丸出しな“映画ゴッコ”をする」こと−−−−。

 ここに紹介する『ドゥームズデイ』は、そんな微笑ましい“映画ゴッコ”をしていると思うのだが、この監督が、何を好きかはすぐわかるだろう。

 ジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』とジョージ・ミラー監督の『マッドマックス2』だ。 “読む映画リバイバル『ドゥームズデイ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『チェンジリング』

衰え知らず、イーストウッドの監督手腕。息子に“取り憑かれた”母が辿った悲劇の実話

(2009年7月21日号より)

 “生きる伝説”クリント・イーストウッド。嬉しいことに俳優としても監督としても、いまだ我々を驚愕させ続けているわけだが、アンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えた監督作『チェンジリング』も素晴らしかった。またもやイーストウッドの至芸に感服である。 “読む映画リバイバル『チェンジリング』” の続きを読む

読む映画リバイバル『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』

黒い血を、止血する男

(2015年11月上旬号より)

早朝、上下スウェット姿の男がニット帽をかぶり、ランニングをしている。まるで『ロッキー』(76)の有名な一場面のように。だが、バックに流れているのは当然ながら、ビル・コンティのあの威勢のいいテーマ曲ではない。マーヴィン・ゲイが71年に発表した貧しき者たちの心の叫び――『インナーシティ・ブルース』の哀切な歌詞とメロディだ。 “読む映画リバイバル『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』” の続きを読む

読む映画リバイバイル『その土曜日、7時58分』

安っぽい犯罪劇を重厚に描く……これが名匠シドニー・ルメットの手腕なり!

(2009年7月7日号より)

 安い犯罪。安い人間たちが起こしちまった激安な犯罪。今回ご紹介する映画『その土曜日、7時58分』を端的にまとめればこうなるわけだが、ここで強調すべきは作品自体は全く「安くはない」ということ。むしろ重厚。しかも一度観始めたら、最後まで心を持っていかれてしまうはず。なぜそうなるのか。 “読む映画リバイバイル『その土曜日、7時58分』” の続きを読む

読む映画リバイバル『イルカの日』

喋るイルカの名アクターぶりに感心。この可愛さはズルい! ズルい!

(2009年6月23日号より)

 のどかだ。何とも、のどかなのだ。『イルカの日』。といえば、人間の言葉を話すようになったイルカが「大統領暗殺計画に利用される」という、ジャンル的には一応“SFサスペンス”に分けられている一品であり、DVD化を筋金入りの映画ファンが長年待ち望んでいた往年の名作である。 “読む映画リバイバル『イルカの日』” の続きを読む

読む映画リバイバル『13/ザメッティ』

低予算映画はシチュエーション勝負! 今度は“集団ロシアン・ルーレット”だ

(2007年10月17日号より)

 どこかの一室。「弾を込めろ!」という声が上がる。銃を持った13人のプレイヤーたち。円状に並ばされた彼らは片手を上げ、銃倉を回す。カラカラカラと部屋中に響き渡る音。 “読む映画リバイバル『13/ザメッティ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『バンク・ジョブ』

英国政府によって闇に葬り去られた一大スキャンダルの真相とは?

(2009年4月21日号より)

 全米ではちょうど公開時期なのではないだろうか。ジェイソン・ステイサム主演の『アドレナリン2』。サブタイトルに“ハイ・ボルテージ”と付いた、まさかの続編だ。第1弾は笑撃のラストで終わっていたが、今度は「電動の心臓に取り換えられ、充電し続けないと死んでしまう」という設定らしい。このシリーズが象徴するように、ジェイソン・ステイサム主演といえば今や、アクション過多な愛すべき「バカ映画」とイコール、と思われている。 “読む映画リバイバル『バンク・ジョブ』” の続きを読む

読む映画リバイバル『チェイサー』

猟奇殺人犯vs元刑事。追う者と追われる者が織りなす一触即発の緊張感がたまらない!

(2009年10月6日号より)

 金槌とノミ。その男はこれを手にし、快楽を得る。どうするのか。女の手足を縛り、頭部にノミを当て、金槌を振り下ろし、思いっきり打ち込むのだ! まるで自らのペニスを突き立てるかのように。 “読む映画リバイバル『チェイサー』” の続きを読む