読む映画リバイバル『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』

再検!日活ロマンポルノ

セックスは祭りだあい 祭りはセックスだあい

(2001年5月号より)

 すでにご存知の方も多いかも知れないが、これは改めて喜びを記しておきたい。

 小沼勝監督がやった! 先頃、第51回ベルリン国際映画祭に『NAGISA-なぎさ-』を出品したところ、“キンダーフィルム”部門で見事グランプリを受賞。いやあ、これが喜ばずにいられようかってんだ! “読む映画リバイバル『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ラスト・キャバレー』

再検!日活ロマンポルノ

2001年日活ロマンポルノの旅

(2001年2月号より)

 何かが終わってしまうこと。永遠に続くかと思われていた時間が、不意に中断され、結末へと辿りついてしまうこと。

 だが、終わりはいつだって、新たなる“始まり”を代わりに告げてゆくだろう。

 な〜んちゃってね。

 こんなふうな感傷に、思いっきりひたらせてくれるのが『ラスト・キャバレー』という作品なのだ。平成『ガメラ』シリーズや『クロスファイア』で知られる日本映画のエース、金子修介監督の、日活ロマンポルノへの惜別の一篇。 “読む映画リバイバル『ラスト・キャバレー』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ミスト』

迫り来るモンスターよりも残忍で、かつ怖いのは、不信感に満ちた人間だ!

(2008年9月23日号より)

 田舎町。のどかなスーパーマーケット。そこに突如、異変が起こる。外がみるみるうちに霧で包まれ、視界の全てを奪っていく。 “読む映画リバイバル『ミスト』” の続きを読む

発売中の週刊SPA!で『幸せをつかむ歌』について書いてます

発売中の週刊SPA!、DVD紹介ページで『幸せをつかむ歌』について書いてます。

読む映画リバイバル『REC/レック スペシャル・エディション』

ツッコんで笑うもよし、逃げ場のない状況に恐怖するもよし。多目的なスパニッシュホラー

(2008年12月2日号より)

 お化け屋敷のような閉所感覚を怖がってもよし。事態のトンデモなさにツッコみながら笑うのもあり。はたまた、 “読む映画リバイバル『REC/レック スペシャル・エディション』” の続きを読む

読む映画リバイバル『つぐない』

思春期ならではの潔癖さ、繊細さ、嫉妬と恋心。あるカップルの人生を狂わすのは一人の少女

(2008年10月7日号より)

 何事もツカミは大事だが、映画もまたそう。本作のオープニングを観よ。いや、聴け。開幕と同時に「タタッタタタタッ」とタイプライターを打つ音が聞こえてくる。机の前にいるのは “読む映画リバイバル『つぐない』” の続きを読む

読む映画リバイバル『スペル』

サム・ライミが久々にやりたい放題!“怪婆”はコワいというより笑いを誘う

(2010年4月27日号より)

 のっけから言ってしまおう。最近、「笑える映画がないなぁ」とお嘆きの方、このサム・ライミ監督の『スペル』……オススメです! “読む映画リバイバル『スペル』” の続きを読む

読む映画リバイバル『レス・ポールの伝説』

レス・ポールといえばエレキギター……だが彼の偉大さを皆はどこまで知っている?

(2009年12月30日号より)

 レスポール・モデルのギターといえば、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジらが手にしてきたロック史上の財産。ところでそれが、一流ギタリストにして、稀代の発明家の名前だと知っていたか? “読む映画リバイバル『レス・ポールの伝説』” の続きを読む

読む映画リバイバル〈私の映画批評の姿勢〉付き合ってるのに片思い

〈私の映画批評の姿勢〉付き合ってるのに片思い

(2011年4月下旬号より)

 他誌ではあるが、『DVD&ブルーレイでーた』で「三つ数えろ!」という企画ページを担当している。もう四年以上続く連載だ。登場していただくのは、映画監督の方々。何かひとつのテーマを選んでもらい、それに沿って、三本のフェイバリット・ムービーについて語っていただくのである。 “読む映画リバイバル〈私の映画批評の姿勢〉付き合ってるのに片思い” の続きを読む

読む映画リバイバル『夢売るふたり』

“包丁の物語”の果てに……。

(2012年10月下旬号より)

  西川美和監督が『蛇イチゴ』(2003)でデビューして10年。そんな周期も関係するのか、この『夢売るふたり』はさながら“第2のデビュー作”のようである。つまり、 “読む映画リバイバル『夢売るふたり』” の続きを読む

読む映画リバイバル〈トム・クルーズ〉『アウトロー』

アメリカの良心の継承 グレゴリー・ペックからトム・クルーズへ

(2013年2月上旬号より)

 懐かしい“匂い”

 映画が始まった途端、ちょっとタイムスリップしてしまったのかと思った。『ダーティハリー』(71)のオープニングよろしく、白昼、何者かが屋上に立ち、市井の人々を狙撃して回るシーンが目に飛び込んできて、出だしからなんとも不穏でヤバい、洗練なんて言葉には背を向けたあの“70年代アクション映画”の匂いが鼻孔をくすぐったのだ。 “読む映画リバイバル〈トム・クルーズ〉『アウトロー』” の続きを読む

ムック映画秘宝ex「100人の映画ジャンキーが選ぶ!最強ミステリ映画決定戦」に寄稿してます

洋泉社ムック 映画秘宝ex「100人の映画ジャンキーが選ぶ!最強ミステリ映画決定戦」の特集「100人が選んだミステリ映画ベストテン」に寄稿しています。

 

キネマ旬報「映画評論家50人に聞く、私が期待する5人の若手俳優」に寄稿してます

キネマ旬報8月下旬号の特集「キネマ旬報が選ぶスクリーンで逢いたい、若手俳優女優篇/映画評論家50人に聞く、私が期待する5人の若手俳優」に寄稿してます。

読む映画リバイバル『カラテ愚連隊』

2丁拳銃もなければハトも飛ばない。でもそこには“ジョン・ウー印”の「義」がある

(2008年10月21日号より)

 先日、ジョン・ウー監督に取材する機会を得た。11月に封切られる最新作、100億円もの巨費を投じた『レッドクリフ』のキャンペーンで来日したのだった。 “読む映画リバイバル『カラテ愚連隊』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ツイてない男』

笑いあり、首チョンパありの異色未公開作。ホラーコメディというよりホラーコントか?

(2008年11月4日号より)

 スティーブン・ドーフという男がいる。とまあ、何もこんなにかしこまって紹介する必要もないのだが、彼、最近「あの人は今!?」状態に陥っていないか。 “読む映画リバイバル『ツイてない男』” の続きを読む

読む映画リバイバル『イージー・ライダー』

 『イージー・ライダー』という映画を、君は観た事があるだろうか。マリファナ、人種問題、ベトナム、反体制運動の激化など病めるアメリカと揺れる若者たちの悲劇を描いている。現在のチョッパースタイルを確立させたのもこの映画だ。今、あらためてこの作品を検証する。

(1993年号より)

揺れるアメリカの“夢の余白”を求めた、若者の旅

 広大な一本の道を目の前にして、ロングヘアーの若者ふたりが、見事に改造されたチョッパーのハーレーダビッドソンに跨がっている。そして片方の男が腕時計をはずし、路上に捨てたかと思うと、2台のハーレーダビッドソンは “読む映画リバイバル『イージー・ライダー』” の続きを読む

読む映画リバイバル『ア ダーティ シェイム US公開バージョン』

悪趣味監督ジョン・ウォーターズの新作がDVDスルー。映画で味わう“顔射”される気分

(2008年6月24日号より)

 ビックリした。“顔射”をかまされちまったのだ。いったい誰に? 映画にだ! ハイ、ここまで読んで、「よく分かんないけど気になるなあ」と思った特異な方、今すぐこの『ア ダーティ シェイム』を観ていただきたい。 “読む映画リバイバル『ア ダーティ シェイム US公開バージョン』” の続きを読む

読む映画リバイバル『河童のクゥと夏休み』

現代を生きられない河童=マイノリティ。「クレしん」原監督による“大人泣き”アニメ

(2008年6月10日号より)

 その鳴き声から、「クゥ」と名づけられた河童の子供と少年の物語。原恵一監督の『河童のクゥと夏休み』は、一見、子供向きではあるが、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』に匹敵する原ワールド満載の“大人泣きアニメ”だ。つまり、大人のほうがより“心に痛い”描写が、要所要所に埋め込まれているのである。

 原作の児童文学と出会って、かれこれ20年間、原監督はアニメ化を温めてきた。そもそもは「江戸時代に生きていた子供の河童が現代に蘇る」というアイディアに魅かれたのだそうだが、原作者の了解を得て、多くのアレンジを加えた。一体どう変えたのか? 少年とその家族との交流を描きながら、合わせて「河童が現代の人間と共存することの難しさ」も、トコトン描いているのだ。

 この作品のザラついた感触、どこかで味わったことがあると思ったら、少年の名が“上原康一”であることからこんな連想が働いた。これは原監督版の「怪獣使いと少年」ではないのか、と。

「怪獣使いと少年」とは、かの『帰ってきたウルトラマン』の第33話で、怪獣をマイノリティの民族に見立て、被差別問題を扱った回だった。脚本は沖縄出身の上原正三。原監督は河童を妖怪というより少数民族的なものとしてイメージしていたという。しかも劇中、沖縄を重要な舞台として出しているのだから、何らかの関係があったのでは?

 ともあれ、「怪獣使いと少年」は、大人になって観直すと、一層その深さに気づかされる傑作だ。『河童のクゥと夏休み』もまた然りである。

※ ※ ※ ※ ※

フシギな石を拾った小学生と、石から甦った河童の子供の交流を描いた、号泣必死の感動アニメ。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』以来5年ぶりとなる、原恵一監督作。原作は、故・木暮正夫の児童文学『かっぱ大さわぎ』(1978年)と『かっぱびっくり旅』(1980年)。

[週刊SPA!掲載]
●監督:原恵一●出演(声):田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、他●2007年●日本、アニメ

読む映画リバイバル『縄と乳房』

再検!日活ロマンポルノ

美術は、鈴木清順監督と名コンビの木村威夫

(2000年6月号より)

 京都。それは夢破れ傷つき、人生(とくに色恋沙汰)において悩める者たちの格好の“佇み”スポット。名所旧跡で、フっとため息などつくだけで、らしい“絵”がたちまち出来上がる。で、女がひとり、佇んだりしている場合、BGMは渚ゆう子の『京都の恋』『京都慕情』、あるいは由紀さおりの『女ひとり』と昔っから決まっている。とにかく京都は、悩める者たちにとって歌謡曲的に、つまりベタベタに、“絵”になる聖地なのだ。 “読む映画リバイバル『縄と乳房』” の続きを読む