イーストウッドの演出手腕を味わう『チェンジリング』レビュー

館理人
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以下ネタバレを含みますのでご注意ください。

館理人
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見どころが、監督に徹したクリント・イーストウッドの演出手腕だってことを語るレビューですので、

館理人
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ネタバレあります。

館理人
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いいですかね? 始めますよ?

館理人
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では。

Photo by blair yang on Unsplash
館理人
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ある日子供が消えた母親の痛みが描かれています。ずっしり重いです。

館理人
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実際にあった恐ろしい事件の被害者家族がモデルです。

館理人
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あまりに痛ましい事件なのですが、事件をどう映像に落としたのか、ってのがこの映画の見どころです。

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悲劇の実話を巧みに映像化。アンジェリーナ・ジョリーもいいけれど見どころは断然イーストウッド!

タイトルは「取り換えられた子供」の意。

そして映画には、この言葉の背景にある「さらった子の代わりに妖精が置いていく醜い子供」という欧州の民間伝承も影を落とす。

脚本を手がけたJ・マイケル・ストラジンスキーが、市役所の地下から掘り起こした資料——1928年にLAでクリスティン・コリンズが被った事件を、監督イーストウッドが映画化した。

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 “生きる伝説”クリント・イーストウッド。

 嬉しいことに俳優としても監督としても、いまだ我々を驚愕させ続けているわけだが、アンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えた監督作『チェンジリング』も素晴らしかった。

館理人
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アンジェリーナ・ジョリーが、クリスティン・コリンズを演じています。

 またもやイーストウッドの至芸に感服である。

館理人
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『チェンジリング』は2008年の作品です

 おっと、ごくごく当たり前のことを書いてしまった。が、ひょっとしたらまだイーストウッドの監督作を1本も観たことのない人もいるだろう。

 何が一体そんなにイイのか。挙げていくとキリがないので、『チェンジリング』の中から忘れられぬシーンを、ひとつだけ挙げてみよう。

 本作は9歳の少年の失踪劇で幕を開ける。休日にもかかわらず不意の出勤を同僚から頼まれたため、ヒロインは息子をひとり、家に置いていく。

 彼女はシングルマザー。夜、帰ってきたときにはその姿はいずこへと消えてしまっていた。

館理人
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描かれているのは、凄惨で痛ましい少年連続誘拐殺人事件、ゴードン・ノースコット事件です。

 忘れられないのは少年の“最後の映像”だ。

 それは朝、出かけようとする母親を見送った姿。家の窓辺に佇んでいたのだが、遠くから振り返った母親の視線のもと、窓越しに少年はうっすらと幽霊のように映る。監督イーストウッドが意図的にそう描いているのだ。

 以後、ヒロインの身辺は、まるでその“幽霊”に取り憑かれたかのごとく、奇怪な出来事ばかりが起こっていく。

 少年は失踪してから5ヶ月後、警察に見つけられるが、実体は全くの別人であり、当然母親は「息子ではない」と激しく主張するも、事態はいっそう悪化の一途を辿る。

 イーストウッドはそこから「取り換えっ子」「ロス市警の腐敗」「連続猟奇殺人事件」といった大ネタをさらに巧みに配置してゆくのだが、どれもがトゥルー・ストーリーで、ほとんどの人物が実名で登場しているのであった。

館理人
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映画は高い評価を受け、アカデミー賞主演女優賞、撮影賞、美術賞の3部門にノミネートされました。出演は他にジョン・マルコビッチ。

 もちろん脚色も施されており、少年が幽霊のように見える瞬間などはまさしくそうだろう。

 が、イーストウッド監督ならではの、そのディテールの膨らませ方が作品にコクを与えているのだ。結果、本作は単なる実話の映画化ではなく「息子に取り憑かれた母の物語」としても、胸の奥に残るに違いない。

轟

週刊SPA!2009年7月21日号掲載記事を改訂!

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