脚と靴による官能イメージ、痛快なまでの人生逆転劇が“フィット”したドタバタ劇『キンキーブーツ』

館理人
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靴がキーになっている映画といえば、『赤い靴』、『シンデレラ』あたりがド定番!

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他にもいろいろあります。『ヒーロー 靴をなくした天使』だとか『靴職人と魔法のミシン』だとか『イン・ハー・シューズ』だとか。

館理人
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そんな中で外せないのが『キンキーブーツ』。いいですよこれ!

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イギリスの映画です。監督はジュリアン・ジャロルド、出演はジェエル・エドガートン、他。レビューをどうぞ!

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倒産目前の靴工場の再生を描いたハートフルコメディ

Photo by Charisse Kenion on Unsplash

家業の生き残りをかけ、新商品開発に乗り出す倒産目前の靴工場の再生を描いたハートフルコメディ。

100年の伝統を誇るノーサンプトンの伝統的な製靴業者、スティーブ・ベイトマンの実話が基になっている。

工場の再生に関わるドラァグクイーン役、キウェテル・イジョフォーの好演も見逃せない。

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 脚と靴との関係は、どこかエロティックだ。つまり、凸と凹との遭遇をイメージさせるがゆえに。あのシンデレラの物語だって、性的隠喩が含まれているのは明白だろう。

 で、直訳すれば“倒錯的な、変態ブーツ”なんてタイトルを持つこの『キンキーブーツ』。

 隠喩どころかダイレクトに、“脚と靴の性的イメージ”を活用した映画になっているわけだが、面白いのは入り口はそうでも、中身は『ブラス!』『フル・モンティ』系の、笑えてジンとくるUK産人生コメディなのであった。

館理人
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『ブラス!』はユアン・マクレガー主演です。

 主人公は、父親の急死で靴工場を継いだ青年。伝統ある家業だが、実は経営はジリ貧に追い込まれていて大ピンチ。そこで起死回生の策として、ドラァグクイーン用ブーツを作り始めるという展開は何だか奇抜すぎるけど、ちゃんとモデルは存在する(=スティーブ・ベイトマン)。

 1枚の革から、まるで生き物のように息を吹き込まれていく真っ赤なブーツ。英国の田舎町を舞台に、エナメルにスーパーヒールの新商品をめぐるドタバタ劇は、性的表現を超えて、セクシュアリティの問題、ひいては人生の選択というテーマにまで辿り着く。

 脚と靴、さらには一発逆転劇の組み合わせが意外性を醸し、凸と凹の“フィット感”が実にいい。

 そして“フィット感”といえば挿入音楽の素晴らしさ。JB(遅ればせながら追悼!)の「マンズ・マンズ・ワールド」が、ナンシー・シナトラの「ディーズ・ブーツ・ア・メイド・フォー・ウォーキン」(邦題「にくい貴方」)が適材適所に!

 ここでも凸と凹の感度は抜群なのである。

館理人
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ナンシー・シナトラの「にくい貴方」は、『ザ・メキシカン』のサントラにも収録されてます。

ちなみに『ザ・メキシカン』は、ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツの共演作。

轟

週刊SPA!2007年2月20日発売号掲載記事を改訂!