読む映画リバイバル『WILD HOGS 団塊ボーイズ』

人生に行き詰まった中年男は『イージー・ライダー』の夢を見るか?

(2008年7月8日号より)

 男なら、一度くらいはハーレーダビッドソンに憧れたことがあるだろう。そのキッカケの多くは、『イージー・ライダー』という映画の影響ではないか。“武骨な鉄馬”に跨がり、腕時計を捨て、爆音と共に旅立っていった主人公たち。ハーレーは、ワイルドに風を切って走る若者の“自由の象徴”でもあった。

 あれから37年後。人生に行き詰った中年男4人組が、ケータイ電話を捨て、愛車ハーレーに乗って旅に出た! この愛すべきダメオヤジたちの大陸横断「ドタバタ」ロードムービー、本国アメリカでは昨年公開されるやヒットを飛ばし、並みいる大作を押さえ、07年全米興行収入トップ10入りも果たしたのだった。

 人生の輝きを取り戻すため、久々にハーレーに跨がった4人組に、ジョン・トラヴォルタ、ティム・アレン、マーティン・ローレンス、ウィリアム・H・メイシーといった芸達者が揃ったのもポイントだが、アメリカの観客も“中年ダメジン”たちの奮闘ぶりに慰められるところが大いにあったのだろう。行く先々でバカばかりしてしまう4人組の、その「バカをすることの自由」さえ、ある種の憧れをもって迎えられたのだ。

 公開時ではないのでチラっと書いてしまうが、「ここぞ」という場面で、ピーター・フォンダがハーレーに乗って登場する。もちろん、『イージー・ライダー』の名キャラの“その後”のような役柄で、名ゼリフを吐く! 本作を観たあとは、免許のない筆者も、“心の倉庫”からハーレーを引っ張り出し、思わず“空想オン・ザ・ロード”してしまった。

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モデルの妻に逃げられ自己破産したウディ、メタボな歯科医のダグ、恐妻家の配管工ボビー、恋を夢見るパソコンオタクのダドリーの中年男4人組が、愛車のハーレーでアメリカ横断の旅に出るロードムービー。4人のチーム名は「WILD HOGS」。ちなみに「HOG」には「大型バイク」のほかに「豚」という意味もある。

[週刊SPA!掲載]
●監督:ウオルト・ベッカー●出演:ジョン・トラヴォルタ、ティム・アレン、他●2007年●アメリカ