老舗ロックバンド感の域ドリームアクションスター映画『エクスペンダブルズ2』

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館理人
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『アベンジャーズ』のアクションスター版! 肉体派のレジェンドたちの共演!

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シルヴェスタ・スタローン、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、チャック・ノリス!

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シリーズ2作目をレビューすれば、アクションスター列伝が見えてきます!

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アクション映画の未踏の地へ

Photo by Velizar Ivanov on Unsplash

 一見ドリームキャスト、実はいささか時代遅れな、肉弾アクションのアイコンたちを集めた『エクスペンダブルズ』(2010年)。

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シルヴェスタ・スタローンといえば、まずは何といってもボクシング映画『ロッキー』シリーズ! 『ロッキー・ザ・ファイナル』まで計6作あります。

ベトナム帰還兵を演じた『ランボー』シリーズは、まもなく日本でも公開される『ランボー5 ラスト・ブラッド』まで計5作。

アーノルド・シュワルツェネッガーと共演した『大脱出』なども! 

 タイトルどおりに、監督、脚本、主演のシルヴェスター・スタローンは自ら“消耗品”と名付けた傭兵部隊の捨て石的闘いを見せ、自虐というか、自分で自分のことを笑ってみせちゃう、セルフつっこみの姿勢が「大人の余裕」にも繋がって、功を奏したのだった。

 さて、その(興行的かつ批評的)成功を受けて製作された続編は、ちょっと第1弾とは毛色が変わっていた。

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監督はサイモン・ウエスト。

 還暦をとうに越えているスタローン(と、仲間たち)の「消耗品でも記憶に残る消耗品になってやる」という気概はまんまなのだが、第2弾は「ならば最高の消耗品であるオレらをたんまり見せたろうか!」と自信回復しており、何だか再結成を果たし、世界ツアーを敢行、勢いを増した老舗ロックバンドのようなのだ。

 今回も揃いに揃った肉体派映画のレジェンドたち。スタローンの相棒役、ジェイソン・ステイサムは古株だらけの面子の中ではまだまだ若輩の位置づけだが、彼の現役感はとても重要である。

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ジェイソン・ステイサムの出演作は『トランスポーター』シリーズや『アドレナリン』など。

 ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーがマシンガンを手にし、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが悪役で参戦するスペシャル興行に、ステイサムは平均年令を下げるだけでなく、この“老舗バンド”のライヴ(アクション)の底上げに十分貢献している。

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ブルース・ウィリス出演作『ダイ・ハード』シリーズは『ダイ・ハード/ラスト・デイ』まで全5作。

元CIAエージェントを演じた『RED/レッド』はシニアたちがキレキレに魅せるアクション映画。

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アーノルド・シュワルツェネッガーといえば『ターミネーター』!35周年記念作として製作されたシリーズ7作目に当たる2019年最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』にも出演です。

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ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のSFアクション『ユニバーサル・ソルジャー』もシリーズ化。『ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録』は2012年の作品。

 言うなれば「ダダダダドッカーン」と激闘音を奏で、役者たちが見得を切ってゆくアクション歌舞伎なわけだが、カラダを張った映画という名の“マッスル・バラエティ”にもなっていて、第2弾のおいしいゲストが「ひとり軍隊」たる御年72歳の男、チャック・ノリス!

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空手界出身チャック・ノリスの出演作は『チャック・ノリスの地獄の復讐』など。

 彼には「チャック・ノリス・ファクト」と呼ばれる、その最強キャラがジョークと化した伝説があり、要はトンデモないホラ噺の数々。

 日本でいえば「ビートたけしのオールナイトニッポン」でのネタ、海外旅行の際、必要書類のsex(性別)の欄に“週2回”と書いた村田英雄(←大物演歌歌手)だの、プロレスラーのジャイアント馬場が飛行機に乗るときは、両手を翼の中に入れて腹ばいになる……といった類いのホラ噺なのだが、そんなチャック・ノリスにしっかり華を持たせた構成にもなっている。

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村田英雄のヒット曲は「王将」など!

 あるいは楽屋オチが多く、スタローンを中心に憎まれ口を叩きあう間柄には、ハリウッド映画の伝統も感じる。例えばかつて『オーシャンと11人の仲間』(1960年)という作品があった。

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『オーシャンと11人の仲間』のリメイク版が『オーシャンズ11』です。

 元空挺部隊員ダニー・オーシャンが旧友と共にカジノ強奪計画を実行する。主演のフランク・シナトラが結成したシナトラ一家(ピーター・ローフォード、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・Jr.ほか)総出演のあのノリをスタローンは受け継いでいるのかも。

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エンターテイナー、フランク・シナトラはヒット曲も多いです。

 スタローンは加齢を重ねてもライヴやフェスで実力を発揮するロックスターのごとく、アクションスターのサバイバル術を映画を通して実践している。

 この“消耗品”と名付けられた部隊は、メンバーを入れ替えながら、アクション映画の未踏の地を突き進んでゆくのだ。

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『エクスペンタブルズ』シリーズの3作目『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』は2014年に公開されました。

轟

キネマ旬報2012年11月下旬号掲載記事を改訂!